【ここで質問です】突然ですが「マンハッタン」ってお好きですか?【福岡発】

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「突然ですが、『マンハッタン』ってお好きですか?」

 

何の前振りもなく、いろんな人に聞いてみました。

 

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大好き! 以前、アッパーウエストに2年間住んでいたんです。自然史博物館やセントラルパークがお散歩コースでした」(40代女性/東京出身)

行ったことはないけど、『SEX AND THE CITY』が好きだったので憧れ!」(30代女性/東京出身)

 

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「『マンハッタン』はカクテルを飲みはじめたときに頼んだことがあるけど、味は記憶にないなぁ……」(30代女性/東京出身)

カッコつけて注文したこともあるけど、基本ギムレットのほうが好きかな」(30代男性/埼玉出身)

 

……えっと、言葉足らずですみません。どっちも合ってますけど、私が言いたかったのはその「マンハッタン」じゃないんです。

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「『マンハッタン』って、リョーユーパンのじゃなくて? あのドーナツ大好き!」(20代女性/福岡出身)

パンの『マンハッタン』? 食べごたえがあっておいしくて大好きです。大学時代のお昼ごはんによく食べていました」(30代女性/佐賀出身)

 

そう! それーーー!! 私が言いたかったのは、リョーユーパンの「マンハッタン」のことなんです!!

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福岡にあるパンメーカー、リョーユーパンが販売しているドーナツである「マンハッタン」。発売されてから40年以上経つロングセラーで、とくに九州に住んだことのある人にとってはなじみのある商品なんです。

 

九州・中国・四国地方と関西地方の一部でのみ販売されているそうなのですが……、

控えめに言って!

それ以外の地方に住んでる人は!

人生において大きな大きな機会損失だと思うんですよ!!(真顔)

 

なので、今回は福岡育ちの筆者が声を大にして「マンハッタン」の素晴らしさをご紹介しますね

 

販売から40年余のベストセラー! (ただし一部地域で)

……と言ってはみたものの、私ひとりでは心もとないので、リョーユーパン企画広報部の北村桃子さんにお話をうかがいました。

 

——1974年にこんなハイカラな商品を開発されたなんて素晴らしいです!

 

ありがとうございます(笑)。ちょうどそのころ、ミスタードーナツやダンキンドーナツが日本に進出して「ドーナツブーム」が起きていたことも大いに関係していると思います。

 

——うわ! ダンキンドーナツとか懐かしい! 20年くらい前に撤退しちゃったんですよね……好きだったのに。ところでそもそも、なぜ「マンハッタン」という名前なのでしょうか?

 

弊社の開発担当者が、アメリカに渡ってドーナツの製法を習得し、マンハッタンで見つけたドーナツを参考に、新商品の開発を行ったことが誕生のきっかけなんです。地名をそのまま採用した、というわけですね。

 

——わかりやすい(笑)。でもそのせいで、売ってない地域の人にはそのまま地名だと思われたり、カクテルだと思われたりするんですよ……(前述)。

 

す、すみません。でも、名前はもちろん、パッケージも発売当時のままで、42年間変わっていないんですよ。愛着を持ってくださっているお客さんも多いので、これは変えられませんね。

 

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——たしかに。このアメリカ国旗をあしらったデザインとレトロなロゴは私も大好きです。絶対変えないでください! ところで、リョーユーパンのなかで一番好評なのはやっぱり「マンハッタン」でしょうか?

 

販売実績をお答えすることはできないのですが、多くの方から“リョーユーパン=「マンハッタン」の会社”と思われているんじゃないでしょうか。ロングセラー商品ですから、根強い人気があることはたしかです。

東京の友人から「こっちに来るときには『マンハッタン』を買ってきて」とリクエストされることもあるんです。そんなときは製造日から日が経っていないおいしい状態で食べてもらいたくて、おのずと上京当日に買うことになるので、飛行機に乗る前はいろいろと忙しいんですよ(笑)。

 

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——ご友人の気持ち、すごくよくわかります! 東京にもたくさんドーナツはありますし、「海外から上陸した話題のお店!」みたいなのもありますけど、やっぱり“マンハッタン欲”は「マンハッタン」でしか満たされないんですよね。サクっとしてるのに、中がずっしり詰まっているなんとも言えない食感……。どうしてこんな食感が生まれるのでしょうか?

 

詳しくはお答えできないのですが……やはり「マンハッタン」の特徴である“ねじれた形”が、独特の食感を生み出している秘密のひとつですね。

 

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——なるほど。この「ねじり」がクリスピーな食感を生み出している、と。あの、なんとか東京にも置いてくれませんかね……?

 

残念ながら、今のところは予定がございません。ぜひ、販売エリアにお越しの際は、探して食べてみてくださいね。

 

——そうですか……。あ、ありがとうございました……。

 

あたためて! 冷やして! 牛乳にひたして!

……と、ここで終わる筆者ではありませんよ! 偉大なフォースを使って「マンハッタン」を手に入れました! (福岡の実家から送ってもらいました)ここからは、いろんな食べ方をご紹介します!

 

まずは普通に

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あー、これこれ。かんだとたん、「サクッ」と「モチッ」が同時にやってきて、ぎっちり詰まった歯ごたえがなんともたまらないんですよね。チョコもベタっと甘すぎず、香りが後から追っかけてくる感じ。安定感あるなー。

 

牛乳にひたす

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常温の「マンハッタン」を牛乳にひたしてみます。ほら、よく「フランス人はパンをカフェオレにひたして食べる」っていうじゃないですか(ちょっと違う?)。

 

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 牛乳にひたしてもサクっと感がなくならないのはどういうことなんでしょうね……。むしろチョコが瞬間的に冷やされて、パリっと感が増す感じ。「ひたす」といっても、中がぎっしり詰まっているので、ちょっとやそっとじゃヘタレない強さを感じます。結局「牛乳を飲みながら『マンハッタン』を食べる」というカタチに落ち着きました。

星:☆☆☆☆★

 

冷やしておく

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今度は冷やしてみました。「サクッ」というより、ザクッと感が増して、食べごたえのあるクッキーみたいな感じ。冷やしてもしっかり風味が感じられるのでおいしいです。あ、これ、あったかいブラックコーヒーと一緒に食べたら最強なやつだ。

星:☆☆☆☆★

 

オーブントースターで軽くあたためる

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予熱したオーブントースターにアルミホイルを敷いて、30秒~1分弱くらい軽く加熱してみました。チョコでコーティングされているので、あくまで軽く、短時間で、というのがポイント。

 

とはいえ、多少はチョコが溶けるので、手がベトベトにはなりますが、ドーナツの風味が増して、チョコの香りもふんわり立っています。心なしか、サクッと感も増した気がします。個人的にはいちばん好きかも!

星:☆☆☆☆☆

 

ということで、若干前のめり気味に進めてきましたが、結局のところは「食べてみないとわかってもらえないだろうな」と思っています。私の地元ではコンビニやスーパーで普通に売ってるような「おなじみの商品」なので、もし見つけたらすかさずゲットしてください! 話はそれからです!

 

取材協力

株式会社リョーユーパン

ウェブサイト:http://www.ryoyupan.co.jp

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書いた人:大矢幸世

大矢幸世

転勤族の父親と夫を持ったがために、愛媛群馬東京京都福岡鹿児島福井を渡り歩いた流浪系ライター。現在地は東京。地元はしいて言えば福岡。立命館大学卒業後、百貨店勤務、フリーペーパーの編集を経てフリーランスに。月刊誌や広報誌、WEBなど各媒体で執筆中。著書に『鹿児島カフェ散歩』(書肆侃侃房)。

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ホットサンド7日間チャレンジ!毎朝違う具をはさんで食べたらマンネリ日常に変化アリ?

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メシ通レポーターのゆきちゃめゴンは飽きていた。

 

眠気覚ましにとりあえずコーヒーを飲んで、バナナなどそのへんにあるものを食べてバタバタと出かけるという自分の朝食に……。

 

そこで、

 

マンネリな日常に変化を起こすため、とりあえず1週間

毎朝違う具のホットサンドを作ることにしました。

朝、少しだけ早めに起きてちゃんと朝食をとる。

そして毎日違うものにチャレンジする。

それだけでけっこう日常って楽しくなるかもしれないと期待を込めて。

 

DAY.1 月曜日:明太海苔マヨネーズのホットサンド

初日はなんとなく和風にしてみました。

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海苔、明太子、マヨネーズをこんな感じに乗せて…… 

 

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ホットサンドメーカーに入れて、焼きます。

 

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こんがり焼けておいしそう!

 

ちなみに7日間で作ったすべてのサンドはホットサンドメーカがない場合、普通にパンではさんでトーストしてもOK!

パンは8枚切りを使いました。

 

さて、明太海苔マヨネーズのお味は……。 

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明太子と海苔だけでも十分おいしいとは思うのですが、マヨネーズが入ることでまろやかになり、アツアツをハフハフしながら食べるのがたまらないおいしさ!

 

けっこうパンチが効いた味なので、もしかしてビールなんかにも合うのでは? と月曜日の朝から夜のことを考えてしまったのでありました。

今度は夜に酒のつまみとして作ろう。

 

DAY.2 火曜日:ベーコンエッグのホットサンド

2日目は、オーソドックスにベーコンエッグ。

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軽くフライパンで焼いたベーコンと、ゆで卵をマヨネーズと塩コショウで和えたものをサンド!

ベーコンを焼くのが面倒な方はハムを使ってもいいと思います。

 

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これは、鉄板ですね。

卵のトローっとした感じと、ベーコンの塩気のバランスがとてもいい!

毎日食べてもいいぐらいの完成度でした。

卵とベーコンってすごく朝食らしい素材ですしね。

朝ご飯食べたな、って気になり、いろんな意味で満足でした。

 

DAY.3 水曜日:小倉あんバターのホットサンド

水曜日って中だるみしますよねぇ。

まだあと3日もあるのか……と思いますよねぇ。

 

そんな自分に自分でエールを送る意味も含め、朝から幸せな気持ちになりたくてこの日は甘味系、小倉あんバターにしました。名古屋メシとして有名ですが、実は食べるのは始めてだったりします。

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作り方は簡単で、トーストに缶詰のあんこを塗り、その上に適当にバターを置いて焼くだけ。

 

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いやぁこれが……。

思いのほかおいしく、リピート決定でした。

あんことバターって合うんですね。しかもパンにもなんの違和感もない。

コレを考えた名古屋の人はすごいな!

こういうB級グルメ的なものってほんとに好きだわ。

 

DAY.4 木曜日:ツナオニオンマヨネーズのホットサンド

週も後半の木曜日。

深い意味はないんだけど、ここは手堅く行きたい。

サンドイッチによく使われる素材といえば、そう、ツナは外せない。

ツナが良いんじゃないか。

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ツナマヨネーズだけだとちょっと物足りない感じがしたので、みじん切りして水にさらした玉ねぎを下に敷いてみました。

 

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ツナとマヨネーズだけでも間違いないところではありますが、ほんのりと温められた玉ねぎが、やはり良い仕事をしています。

ほのかな甘みと少しシャキっとした食感もいいアクセント。

全体をまろやかにまとめてくれる縁の下の力持ち、玉ねぎ、あったほうがいいですね。

 

DAY.5 金曜日:アボカド玉子のホットサンド

金曜日の朝。

朝起きたらすごくお腹がすいており、食べ応えのあるものが食べたいと思ったのでした。

 

そんなわけでこの日はお腹にたまりそうなコンビ、アボカド+玉子に決定。

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マヨネーズを入れるかどうか最後まで迷ったのですが、あえてこの日はナシで。

そうすると、ゆで卵とアボカドはどちらもあまり味がない素材なので、塩コショウはしっかりめにするのがポイントですね。

 

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けっこう満腹になり、ウィークデーをしめくくるのにふさわしいサンドでした。

 

DAY.6 土曜日:キムチ海苔チーズのホットサンド

ビバ休日。

 

せっかくだからパンチの効いたものが食べたい。

土曜日でこの後は人と会う用事もないので、キムチ海苔チーズ、いってみました。

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濃い。濃いですがおいしいです。

キムチだけだとけっこう攻撃的な感じになってしまうのですが、チーズと海苔でいい感じにに中和されてバランスが取れてる感じ。

キムチにまとわりつくトロっとしたチーズがたまりません。

キムチの辛さで、朝からシャキっと目が覚めました。

 

DAY.7 日曜日:ブルーベリークリームチーズのホットサンド

日曜日の朝なのでブランチとしてそんなに重たくないもの。

でもちょっとゴージャスなものが食べたい。

 

何が良いだろうか。

 

思い切って、ブルーベリークリームチーズにしてみました。

今回はブルーベリーで作りましたが、たぶんジャムなら何でも合いそうなので、お好みのジャムでよいと思います。

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砂糖などは足さず、ただクリームチーズとブルーベリーを乗せただけなので甘すぎなくていい感じ。

クリームチーズがちょっと溶けた食感も、いいなぁ。

最後を飾るのにふさわしいサンドでした!

満足だ。

 

ホットサンド7日間チャレンジ、少し早く起きてきちんと朝食をとることでその後の一日に心の余裕ができたような気がしますし、単純にちゃんと食べた方が午前中の仕事がはかどるんですよね。ホント朝ご飯は大事だと実感しました。

 

実は、寝る前から明日は朝起きたら何作ろうかなぁと考えるぐらい、楽しみな1週間でした。みなさまもぜひ、楽しくておいしい朝食タイムをお過ごしください!

 

書いた人:ゆきちゃめゴン

ゆきちゃめゴン

食べることばかり考えています。弱いのにお酒も好きです。ふだんはエディトリアル系を中心にDTPデザイナー。東京の下北沢?渋谷あたりで生きています。万年ダイエッターでしたが、最近痩せることをあきらめました。Small Happy Thingsというサイトにも参加中。

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赤い衝撃! 低糖質な「大豆パン」を焼く真っ赤な甲冑姿のパン職人【大阪】

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赤い甲冑(かっちゅう)を着た謎のパン職人

こんにちは。パンに目がないメシ通レポーターの放送作家、吉村智樹です。

いつも「どこかにおいしいパンを焼くお店はないか~?」と、鼻をふがふがさせながら街をさまよっています。

 

そんな折、「真っ赤な甲冑を着たパン職人が街に出没する」という噂を耳にしました。しかもそのパンは、いま流行語にもなっている「低糖質」を極めた、とても珍しいものなのだとか。

パン職人が、赤い甲冑を? いったいなぜ。なんのために。そもそもそれは本当にパン職人なのか? 血に染まった鎧武者の幽霊じゃないのか?

さまざまな疑問が湧きあがるなか、僕はその謎の甲冑男がいるという場所へとおもむきました。

 

やってきたのは大阪の「玉造」(たまつくり)という場所。JR大阪環状線「玉造」駅前からアーケード商店街が延びる、のんびりムードの街。

ここに、赤い甲冑姿のパン職人が出没するという噂があるのです。

 

あ!

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いました!

 

けっこうあっさりいました! 噂の、真っ赤な甲冑を着た武将が!

 

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しかも兜(かぶと)に輝くのは「六文銭」。

 

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これはまさに、大河ドラマで話題の「真田家」の「三途の川の渡し賃」、すなわち決死覚悟を表す家紋ではないですか。

 

真田幸村、大阪の下町に蘇る!?

そう、赤い甲冑を身に着けたこの方は、“真田丸の戦い”の名でも知られる「大坂の陣」で活躍し、「日の本一の兵(ひのもといちのつわもの)」とまでうたわれた武将、真田幸村(真田信繁)に扮していたのです。

この方は、2013年2月にオープンした大豆パン専門店「ダイズインターナショナル」のオーナーパン職人、奥雄一さん(45歳)。

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▲真田軍の”赤”の甲冑姿で店頭に立つパン職人の奥雄一さん

 

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▲「大豆パン」専門の路面店

 

2014年から毎週土曜日の午後はこうして真田部隊のチームカラー「赤備え」の姿で往来に立ち、自らが焼いたパンを宣伝するためパフォーマンスしているのです。

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▲写真を撮ってゆく通行人も多数

 

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▲さまざまなイベントにも出没

 

しかし、いったいなぜパン職人さんが武装しているのですか? しかも真田家の赤で。

 

ここ玉造は「大坂城(大阪城)」の南に位置し、「大坂の陣」の激戦地だったんです。そして真田幸村が真田丸という出城(要塞)を築き、徳川の大軍を撃破した。20万人もの兵士が戦ったすごい場所なんです。そんな「大坂の陣」から400年経って、ご近所の方から「歴史上最強の城がここにあり、多くが徳川方に寝返るなか、豊臣秀吉を裏切らず徹底抗戦した名武将がいた。なのに後世にそれがちっとも伝わっていない。400周年を機会にここ玉造を、そして大阪をもう一度盛り上げようじゃないか」と言われたんです。僕は賛同し、ならばと、この甲冑を手作りしました。(奥雄一さん)

 

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▲秀吉を裏切らず徹底抗戦した真田幸村の生き方に敬意を払いつつも「実は僕の先祖は徳川方で、大坂冬の陣にも参加していまして……」と申し訳なさそう

 

なるほど、赤い甲冑は大坂の陣400周年をきっかけに始まったコスプレだったのですか。

確かにここ玉造は、いわば戦国時代のフィナーレを飾った日本の歴史上とても重要な街のはず。しかし正直そういった場所だとは、大河ドラマが始まるまで大阪市民でさえも忘れていたし、観光地とは言い難いですね。

奥さん自身も、真田丸がのちにドラマ化されるという話を知らず、突然脚光を浴びてとても驚いたのだそう。

 

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▲店頭には造形作家、間壁正人さんの手による真田丸の素朴なフィギュアが

 

鎧も兜もすべて手作り

それにしてもこの立派な甲冑が手作りだったとは驚きました。

 

はい。はじめは買おうかと思ったんですが「100万円する」って言われて、あきらめて自分で作りました。僕はパン職人になる前は、おもに産業機械のはんだ付けをやっていました。人工衛星、阪神高速、ソーラーパネル、いろんなものを手がけましたね。そんなふうに食品関係とはまるで違う仕事をしていたんです。そしてその頃の技術をいかし、ポリエチレン樹脂を素材にして作ってみました。六文銭も真鍮(しんちゅう)を削って自分で作ったんですよ。

 

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▲鎧は手作り

 

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▲兜は工事現場用ヘルメットを改造

 

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▲手甲の縫製も自らの手で行った

 

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▲単なるコスプレではなく編み紐を調整することで温度調節ができるというスグレモノ

 

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▲細部の針仕事も自分で

 

いやもう本当にすごいです。

よもやハンドメイドだとは思えぬほど細部まで凝っていますね。

 

そして六文銭もさることながら、兜に屹立するツノがとてもリアルです。

まさかこれ、本物の動物の骨ですか?

 

いえ、実はこれ、パンなんです

 

えー! このツノ、パ、パンでできているんですか!

 

そうなんです。私はパン職人なので、せっかくなら「甲冑のどこかにパンを使いたい」と思っていました。大豆パンって、発酵させずに焼くとカチカチになるんです。その性質を利用しました。

 

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▲兜のツノは発酵させずに焼いた大豆パン。残念ながら少し折れてしまった

 

おお、ツノの正体は大豆製のパンだったのですか。

究極のハード系、かじりつきたい! お値段六文で譲ってほしいくらい。

 

大豆でできた低糖質のパン

さて、いま話に出た「大豆パン」

そう、こちらのお店の注目すべき点は、ご主人の甲冑姿だけではありません。メインはあくまでパン。

奥さん、「大豆パン」とは、いったいどんなものなのですか?

 

文字どおり“大豆でできたパン”です。大きな特徴は、パンなのにほとんど炭水化物ではなく、たんぱく質だというところ。つまり、パンに較べて糖質が低いのです。調べてもらったのですが、100グラムあたりの糖質は、一般的な食パンと較べおよそ10分の1になります。

 

なるほど、大豆はたんぱく質だから、パンにすると糖質が低いんですね。それはうれしいですね。

 

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痩せるため独学で作った大豆パン

では、そもそも鉄工の現場にいた奥さんが、どうしてパン職人に? しかもなぜ「大豆パン」を焼く職人に?

 

健康診断で「糖尿病一歩手前」と診断されたのがきっかけですね。当時は仕事のストレスを食べることにぶつけていて、家で夕食が用意されているにもかかわらず、帰宅途中にカレーライスやラーメン、うどんなどを食べてしまう暮らしをしていました。そのため体重は90キロを超え、典型的なメタボ体型でした。痩せなきゃなあとは思っていたんですが、食べることが大好きなもので、どうしても量を減らせないんですよ。それで糖質オフだけでも心がけようと、独学で作ったのが大豆パンだったんです。

 

奥さんは大豆パンを自作して食べはじめ、半年で体重は90キロから65キロにまで落ちたといいます。しかもリバウンドなし(もちろんそれは大豆パンだけの効果ではなく生活改善に努められたからなのですが)。

 

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▲ぽっちゃり体型だった頃の奥さん。体重は90キロあった

 

そして奥さんはこれを一般販売することを考え、思い切ってパンの道へと転身を遂げたのです。

 

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▲鉄工職人から転身。2013年に大豆パンの専門店「ダイズインターナショナル」を開店

 

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▲「六文銭」をデザインしたバンダナ留めももちろん自ら金工した

 

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▲さまざまな形状、テイストの大豆パンが並ぶ店内

 

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▲鉄工職人時代の技術を活かしたオブジェも

 

醤油、漬物とマッチするパン

さてその低糖質の大豆パンですが、小麦粉の食パンのように、トーストして食べるものなのですか?

 

もちろんトーストしていただくとおいしいです。また、元が大豆なので醤油をつける食べ方もイケますよ。あと、わさびですね。僕のおすすめは、わさびマヨトースト。大豆パンとわさびの相性バツグンです。お漬物も合いますね奈良漬や野沢菜を乗せたり。和食に寄せられるのも大豆パンの特徴です。

 

醤油が合って、わさびが合って、奈良漬や野沢菜が合うパン。

なんだかホテルではなく旅館の朝ごはんにいただきたいパンですね。

 

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▲クリームチーズを塗って奈良漬けや野沢菜をトッピング。大豆だから味に違和感がない

 

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▲マヨネーズとネギ。これも合う!

 

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▲ちぎってイクラの醤油漬けなどのせて「海鮮パン」に。海鮮丼のパンバージョン

 

でも……うーん、低糖質で、ダイエット効果があって、おいしくてと、とても夢のあるいいお話なのですが、ここでひとつ疑問が。

 

そもそも大豆って、ふくらむんですか?

 

パンといえば小麦粉が基本で、最近では米粉のパンも話題ですが、ともに「ふっくら」焼きあがっているシーンが目に浮かびます。

かたや大豆って豆腐のように「固める」「納める」というイメージがあって、焼くと膨張する光景が思い浮かばないのですが。

疑うわけではないですが、本当に大豆でパンができるんですか?

 

いやあ、その通り。大豆の生地はそう簡単には膨らみません。大豆をふわふわもちもちに膨らませ、しかもパンとしておいしい商品にするのは実は大変だったんです。正直、お客さんに売るに値する味に仕上がったのは、オープンの2日前というギリギリでした。

 

なんと、販売できる味になったのは、オープンの2日前とは……。

最後の最後に真田幸村が家康本陣へ突撃した、パン界の大坂夏の陣といえる切迫した状況でした。

 

大豆パンの製法、大公開!

ではいよいよ「膨らませるのも、おいしくするのも苦労した」という大豆の食パン、その名も「大豆の山食(やましょく)」(一本 650円)を作るプロセスを見させていただくことにしましょう。

メイン素材は、岡山県産の国産大豆「トヨシロメ」を、生のまま約10ミクロンまで微粉砕した粉。

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岡山県産大豆「トヨシロメ」を生のまま挽いた粉

 

大豆パンをおいしくするためには、ここまで徹底的に細かくすることが重要。

 

大豆粉は小麦粉と違い、ほんのり黄色がかっています。そして大豆には粘りと弾力をはぐくむグルテン成分がないので、ここにグルテン(小麦タンパク)を加えます。

 

大豆粉とグルテンを30分かけて撹拌(かくはん)します。

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「30分」とは、小麦粉よりも撹拌の時間が長いです。

それに撹拌する機械をたびたび停止させ、へらを使って手動で混ぜる作業を繰り返します。

 

丁寧に丁寧に混ぜ、なんてマメな作業。だから奥さんはずっと機械につきっきり。まだ撹拌の段階なのに、もうこんなに手間がかかるとは。

 

機械が壊れるほどの粘り

そうして奥さんが粘れば、生地も粘る。

粘りがすごい。見た目に「ねちゃねちゃ度」が高い。これもまた初めて見る光景です。

 

よく「大豆のパンは膨らまない」と言われるんですが、それは大豆粉とグルテンが均等に混ざっていないからなんです。だから徹底して、とにかく混ぜます。しまいに機械が混ぜ続ける作業に耐えられなくて、壊れます

 

え! き、機械が壊れるんですか!?

 

そうなんです。大豆で作った生地は小麦に較べて粘りが強いので、混ぜるのにパワーがいるんです。そのため、生地を混ぜる撹拌羽根が金属疲労を起こして折れてしまうんですよ。僕は金属加工をする職人だったので、自分で溶接して修理します。そうやって対応できるのがうちの強みですね。

 

マシンの部位が折れると職人自らが溶接とは……。

 

大豆パンって、そんなハードな現場から生まれていたんですね。そもそも「大豆パン専用の製パン機」というものが存在しないので、奥さんは製パン機のさまざまな部分をセルフリフォームしています。

 

バターの代りに使う驚きの液体

そして、お?

生地になにか透明な液体を注いでいますね。

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▲バターではなく、別の液体を投入。その驚きの正体は……

 

小麦粉のパンなら、普通ここはバターが投入されるのですが、どうやらバターではない様子。これはなんですか?

 

ごま油です。「太白(たいはく)ごま油」といって、ごまを煎らずに生のまま搾った植物油です。さっぱりとしてしつこさのない上品な風味が特徴ですね。実は以前はうちもバターを使っていたんですが、味が大豆粉と合わないんですよ。そうしてバターのかわりにさまざまな油脂を試すうち、この「太白ごま油」に辿り着きました。

 

バターを使わず、ごま油ですか!

大豆&ごま油って、もう中華料理のメニューじゃないですか。

大豆パンは、本当に小麦粉のパンとはまるで違うものなんですね。

 

そうして撹拌を終えた生地ができました。

 

粘る! 粘る!

強い力でぐんぐん引っ張っても、ちぎれずついてくる強力な粘度です。

 

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▲これぞ大豆のちから。強く引っ張ってもちぎれることがない、とてつもない粘り

 

餅用マシンで生地を切り分ける

そして生地を小分けします。

 

とはいえ普通のパン用の機器だと刃が欠けてしまうほど生地の粘度が強いため、「餅用」のマシンで切り分けます。

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▲粘りが強いため、餅用のカットマシンでないと小分けができない

 

ここではパン作りの「当たり前」が本当に通用しないのです。そしてこの餅用のマシンすら何度も壊れ、そのたびに自力で修理しているのだそう。

 

この子は手がかかるんですよ。ほんまに。

 

まさか、大豆がふっくらと!

続いて、冷蔵庫で2時間半ほど寝かせた生地をこねて伸ばしてくるくる巻き、型に入れ、3時間ほど発酵させます。

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発酵させ、取り出してみると……おお、すごい。こんなに膨らむんですか!

 

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大豆のイメージが覆されます。さっきは疑って、ごめんなさい!

 

まだまだ膨らみますよ~。膨らみすぎて空洞ができてしまうので、山形の真ん中に空気を逃がす穴を空ける必要があります。意外ですか? ここまで膨らむようになったのは、お店を開店して半年経ってからですね。オープン当時は、これの半分くらいの大きさにしかならなかったんです。何度も失敗して、試行錯誤の連続で、正直いまでもきれいに膨らんでくれない時があるんですよ。大豆は奥が深いです。いまだに正解をさがしている。まだ道の途中です。

 

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▲谷の部分に穴をあけ、空気を逃がす。こうしないと焼きあがったパンに空洞ができる

 

山食だけに、ここまで膨らませるには、山あり谷ありだったんですね。

 

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▲食パンだけではなくチョコチップやオレンジピールを混ぜた丸いパンも待機

 

そして、いよいよ……焼きあがりました!

 

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しっかりと力強く、張りのあるしあがり。

要塞のようにしなやかで、これはもう、パンの真田丸。

皮がつやっつやしていて、皮というより「革」。表皮の濃い褐色が食欲をそそります。

 

厨房を包む豆腐屋さんの香り

そして、嗚呼なんという、おおらかな香り。

 

とってもいい香りなんだけど、あきらかにこれまでのパンとはぜんぜん違う香気が漂っています。たとえるなら、朝のお豆腐屋さんの、それ。湯気をもうもうと立てて生まれる、できたてのお豆腐の郷愁を誘う甘い香りが、この工房を包んでいるのです。

 

お豆腐職人の方が来店され、「うちの香りや」とおっしゃいます。

 

炭水化物とたんぱく質では、熱を入れたときの香りがこれほど違うんですね。

それに焼き色もずいぶん異なります。かなり黒いです。

焦げているのではなく、これも熱したたんぱく質の特徴なのだとか。

 

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ちょっと甘味が欲しい方は「スイート丸だいずパン」がおすすめ。

「オレンジピール&レーズン」「マンゴークランベリー」「チョコチップ」(どれも2個入り 280円)などなどあります。サイズもお手頃。

 

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▲酸味がさわやかな「オレンジピール&レーズン」も

 

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▲ひとり通るのがやっとな細長いキッチンに、焼き立てパンがどんどん積み上げられる

 

大豆パンは確かにツワモノだった!

そして、焼きたての山食をいただきました。

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▲表皮が黒く、耳がぶ厚いのが特徴。切断面に小麦粉のパンとの差異が表れる

 

……うぅ、もちもちだ。大豆がこんなにもっちもちに。

 

それにかみしめるたび、じんわり染みだしてくる、やさしくも力強いうま味。これは滋味深いです。

 

さきほど「お豆腐屋さんの香り」と言いましたが、味や食感も、パンと厚揚げ豆腐の中間のような。奥さんがおっしゃるように、トーストしてバターを塗り、ちょっと醤油を垂らしたりすると、もうたまんないでしょう。

 

そしてこの大豆パンは、朝食やランチだけではなく、夕ごはんにも充分対応すると思いました。焼き豆腐の感覚で大豆パンにダシの効いたアツアツの和風薄焼きたまごなどを乗せて切り分け、「ごはんのおかずにする」というのもアリかも。

 

そう、ダイエット効果、低糖質もさることながら、僕が惹かれたのは「ごはんにパン」という、新しい食文化の可能性を感じられるところ。

 

大豆でパンを焼くという”攻め”、大豆だからこそ和食に添う”忠義”。それはまさに真田幸村にあった両面の魅力。

 

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まだまだ、もっとおいしくなるはず。そう思って、これからも精進してゆきます。

 

いつか「日の本一のツワモノ」と呼ばれる日が訪れるであろう大豆パン。遠方の方には通信販売もあります。

 

お店情報

ダイズインターナショナル

住所:大阪大阪天王寺区玉造元町2-12 1F
電話番号:080-6133-0085
営業時間:水曜日~土曜日11:00~21:00、火曜日のみ15:00~21:00
定休日:日曜日、月曜日
ウェブサイト:http://www.daizuinternational.jp/

※金額はすべて消費税込です。
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

 

書いた人:吉村智樹

吉村智樹

よしむらともき。関西ローカル番組を構成する放送作家。京都在住。街歩きをライフワークとし、『VOWやねん!』ほか関西版VOW三部作(宝島社)、『ジワジワ来る関西』(扶桑社)、『街がいさがし』(オークラ出版)、『ビックリ仰天! 食べ歩きの旅』(鹿砦社)など路上観察系の書籍を数多く上梓している。

過去記事も読む

【朝メシまとめ】大人だからちゃんと朝ごはん食べようかな…激ウマな朝食、集めました!

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おはようございます。朝食はbillsのパンケーキがお気に入りの(←嘘)メシ通編集部です。ハイウッドセレブが選ぶ世界一の朝食だぜ! ヒュ〜!

あ、お腹が減り過ぎて、テンションがおかしくなってきましたが、本気で役立つ朝食記事、集めてみました。本当は朝食抜きの僕と一緒に見てみましょう!

まずは、美味しいトーストレシピから。

 

朝食しっかり摂ってますか? ホマレ姉さんがオススメする超簡単で美味しいトーストレシピ12選!

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メシ通レポーターのホマレ姉さんが、美味しいトーストレシピを教えてくれました。

 

食パンは厚さによってかなり食感が変わってくるので、ここはシッカリと使い分けたいところですよね。
  • 4〜5枚切り……厚めに切っている分、しっとり&ふんわり感を味わえます。パンの柔らかさを堪能したいときにオススメです。
  • 6〜8枚切り……標準的な厚さで、パン表面のサックリ感と中身のもっちり感の両方を味わえます。
  • 10〜12枚切り……トーストするとカリッとした食感になります。食パンのルーツはイギリスパンと言われていますが、本場のイギリスではこの薄切りのパンが一般的です。

 

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バタートースト

 

(角型食パン4枚切り使用)バターがじんわりとしみ出る美味しさは、厚切りパンならではです。ふんわり食感と小麦の風味を堪能するにはコレが一番! 食パンに深い切り込みを十字に入れ、柔らかくしたバター(室内に置いておくか、レンジで温めておく)を塗って、こんがりトースト。焼けたらもう一度バターをのせて、ちょっと溶け始めたら食べる! シンプルなトーストだけにバターはケチらずリッチにいくのがポイントです。

 

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ハニージンジャートースト

 

生姜と言えば、身体を温めてくれ、風邪の予防にも効果があることはよく知られていますが、ハチミツと合わせることでより美味しくいただけます。食パンに十字の切り込みを入れ、柔らかくしたバターを塗ってトーストする。トーストしたパンの上からおろし生姜(チューブ入りでOK!)とハチミツを混ぜ合わせてパンに塗っていただく。生姜とハチミツの割合は好みですが、子どもには生姜の割合を少し減らした方がいいかもしれません。大人はガッツリいっちゃいましょう!

 

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 「塩キャラメル風トースト

 

(角型食パン5枚切り使用)コンデンスミルクをたっぷりかけて、そのまま焦がせばキャラメルっぽくなります。その際、塩をパラッと振りかけてほんの少しアクセントを! これでちょっぴり大人の朝食って感じになるでしょ? 食パンにコンデンスミルクを満遍なく塗り、更にその上からもコンデンスミルクを絞りトーストし、焼きあがったら塩を振っていただく。コンデンスミルクは焦げやすいので、トースターから目を離さないように注意してください。

 

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チーズカリー・トースト

 

(角型食パン6枚切り使用)簡単にカレー風味が楽しめるので、カレー好きの方にオススメ。チーズの他にサラミやベーコンでも美味しいですよ。バター5gを7mm角くらいの角切りにして、パンの上に均等におき、その上にカレー粉(小さじ1)を振る。その上からピザ用シュレットチーズ(大さじ山盛り3)をのせてトーストすれば完成! カレー粉が一か所に固まらないよう、満遍なく振るのがポイント。

 

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 「アボカドトースト

 

(角型食パン8枚切り使用)みんなが大好きなアボカドも家で食べるととても安くすみます。せっかくだから思いっ切りのっけてしまいましょう! 食パンにマヨネーズを塗り、タネと皮を除いたアボカドを薄くスライスしてのせ、更に再びマヨネーズを細く絞ってトーストする。食べるときにお好みで、塩とレモン果汁をかけて召し上がれ!

 

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パイナップル・ピザ風トースト

 

(角型食パン10枚切り使用)手軽にピザの気分を味わいたいときはコレ!  ピザトーストで決まりです。パイナップルがのっているピザ……姉さんは意外と好きなんですが、イタリア人には要注意! 私の経験上では、ほぼ間違いなく嫌いです。麺棒を転がし、食パンを薄く延ばすようにして潰し、ピザ用シュレットチーズ、7mmの厚さに切ったパイナップル、1.5cm巾に切ったベーコンをのせる。チーズが溶けてパンの縁がカリッとするまでトーストしていただく。

 

12種類全部のレシピは下の記事をどうぞ! 

甘いのもしょっぱいのも、どちらも良い朝食になりそうです!


次は、なぜかポテトチップスで 朝食を……。

 

ポテトチップスで朝食を。フルーツ感満載のポテトチップスのアレンジ方法を考えてみた

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ある日、メシ通レポーターの元に、大量のポテトチップスが送られてきました。

しかも、なんと、フルーツ味!?

 

最近攻めてるな、と思っていたコイケヤが、またまたすごい商品を発売。ポテトチップス「もも味」「バナナ味」。そして昨年販売して好評だったという「みかん味」も再発売! この商品で「新しい朝食」のスタイルを作りたい、というコイケヤ。あ……新しすぎる!

 

まずは、そのまま試食してみます。

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あけてみると、見た目は完全にポテトチップスなんですが、香りはバナナチップス! これは、わかりやすい……味もまさにバナナチップス! ちょっと塩けのあるバナナチップスです。これはバナナチップス好きな人にはいいかも。

 

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これは、開けた瞬間に、もものキャンディーとかゼリーのような香りが!

食べると、甘いなかにも酸味があり、ももっぽいけど、ポテトの味もして……。

不思議とおいしい。

 

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開けると香りは完全にみかん!

食べると……甘い!

みかんそのものというよりは、みかん缶っぽい。なんか、ポテトチップスの概念が変わる味です。

 

この三種類のポテトチップを、もっと朝食に合うようにちょっとアレンジしてみます。

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ポテチで作るミックスジュースです。

 

【材料】

  • ポテトチップス もも味……適量
  • ポテトチップス バナナ味……適量
  • ポテトチップス みかん味……適量

これらをバーミクスで(我が家にミキサーがないため)、撹拌(かくはん)! 

 

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そのままだと飲めないので豆乳を入れました。

 

このビンにいれたことで、ニューヨークのおしゃれな朝食風になった気がする!

モデルがこぞって飲んでるスムージーとほぼ同じ!

そして、味は、コーンフレークのようでかなりおいしい!

ただ、やはりのどに引っかかる感じはあるので、今回のように飲むよりも、食べる感じで、細かく砕いたポテトチップスに牛乳や豆乳をかけるほうがいいかも。

 

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続いては、朝食の定番ヨーグルト!

 

ヨーグルトにからめると、完全にフルーツのような見た目ですね。

味は……バナナ味はかなりイケる!

バナナとヨーグルト、テッパンの組合せは、ポテトチップスでも変わりませんでした。

もも味とみかん味より、バナナ味がおすすめ。

 

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ローストビーフと合わせてみました。

 

見た目はかなりいいですよ! キタコレ!

……と思ったけど…。味は、思ったほどではなかった……。(すみません!)

ローストビーフのタレが甘いので、甘いポテトチップスだと、いまいちマッチせず。合わなくはないのですが、あえて合わせなくても、というレベル。

 

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最後に、フルーツパフェ!

 

ポテトチップスに、バニラアイスと生クリームとチョコ!

うわぁ~…な組み合わせですが…。

これが、なんとおいしい!!

予想では、バナナ味とマッチするかな、と思っていたのですが、もも味とあう~!

これは、今回のなかでは一番の組合せです!

 

ポテトチップスで朝食もいいかもしれない!?

※ポテトチップスの味は取材時のもので、販売が終了していることがございます。

 

そして最後はすごいと噂の名古屋モーニング。

 

怒濤のモーニング全24種類! 毎日来ても飽きない「カフェ・お茶かつ ベニ」【名古屋

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名古屋の喫茶店のモーニングがすごいってのは、もう有名ですよね?

特に郊外の店ほどすごいっていうのも聞いてるんですが、今回紹介する「カフェ・お茶かつ・ベニ」もその一つ。モーニングがスゴイ喫茶店として地元では有名なのです。

 

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何がスゴイかって? まずはこちらのメニューを見てほしい。 

 

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メニューの豊富さもさることながら、「追加おかわりコーヒー 110円」や「おにぎり1ヶ追加 140円」「野菜サラダ 110円」など、お腹の空き具合に合わせてカスタマイズできるのだ。

驚くのはまだ早い。モーニングのメニューはまだある。「あさがおS」や「あさがおR」、「あさがおDX」など独特すぎるメニュー名がズラリと並んでいる。1枚目のメニューと合わせると、全24種類。何なんだ、この充実ぶりは!?

 

トーストも和食もありますね!

では、まずトーストメニューから見てみましょう。

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まずはベーシックなモーニングから。コーヒー(または紅茶)とトースト、ゆで卵が付くセット「No.4」(390円)。

 

これは値段内容ともにわりと普通な感じですが、

 

これに+10円で日替わりの1品が付く「レギュラーモーニング」(400円)になる。

 

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手作りのシフォンケーキとトーストが付く「シフォンケーキモーニング」も400円。こちらも好評だという。

 

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トースト2枚のモーニングは、ほかに「2枚トースト・玉子付・モーニング」(450円)も用意している。こちらは名古屋人が大好きな小倉(またはジャム)が添えられる。

 

この辺になると、お徳感も名古屋感も高まります!

そして、和風モーニングも超充実してます!

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「日本人ならご飯に決まっとるがや」というお客さんには、卵かけご飯と赤だしの「さくらモーニング」(410円)。

 

これもシンプルですが、

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プラス100円でなんと、サラダとアジフライが付く「さくらDX」(510円)に。もはや、これはモーニングではなく、アジフライ定食ではないか!

 

さらに、店名に冠した「お茶かつ」の謎も解き明かしてみましょう。

 

このメニューは30年以上前に誕生したオリジナル。茹でキャベツと海苔がのった揚げたてのとんかつにかかっているのがお茶なのだ。

醤油ベースのダシに合わせているのはハーブティー。あまり入れすぎると味が変わってしまうので、ほんのりと香る程度。これがダシの香りと相まって、食欲をソソられるのだ。

 

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お茶かつはモーニングでも楽しめる!

小サイズのお茶かつにご飯と漬物、コーヒーが付く「朝お茶かつ 飲物セット」(690円)がそれだ。

 

ちなみに朝でもレギュラーサイズの「お茶かつ定食」(980円)も注文可能です。

 

美味そうすぎな名古屋モーニング! 名古屋人のパワーの源はここにあるのか!?

 

※金額はすべて消費税込です。
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

 

書いた人:「メシ通」編集部

メシ通編集部

食を楽しみたい人のためのWebマガジン「メシ通」編集部です。

【閉店】片手じゃ持てない!?ハモニカ横丁で特大25cm上質ホットドッグにかぶりつく「スーパーホットドッグ」

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以前、田町に「スーパーホットドッグ(SUPER HOTDOG!!)」というホットドッグの専門店がありました。店長自慢の手作りソーセージが美味しくて時々ランチに立ち寄っていたのですが、看板メニューのひとつである「25cmの特大ホットドッグ!」には、なかなか手が出せないでいました。「いつかはこれを食べてやるぞ」と思っていたら、なんとお店は吉祥寺へ移転。なかなか新店舗には行けていなかったのですが、今回、その念願を果たすべく吉祥寺に向かいました。

 

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「スーパーホットドッグ」があるのは、酔っ払いの聖地ハモニカ横丁。メンチカツで有名な「サトウ」の脇の路地を入ると、すぐにお店が迎えてくれました。

 

店長の角尾さんと久しぶりに再会し、「さて、何にしますか?」という問いに迷わず25cmのスーパーホットドッグ(1,580円)を注文。あれこれとお話しをうかがいながら、ホットドッグが出来上がるのを待ちました。

 

もともと写真家だったという角尾さん。カメラを片手に世界中を飛び回り、写真家として第一線で活躍していたのですが「いつかは飲食業をやってみたい」という夢を実現するため一念発起。素材にとことんこだわったホットドッグのお店を開業したのだそう。

 

「ファストフードとしてではなく、きちんとした料理として出せるホットドッグを作りたいんです」と話す角尾さんの素材へのこだわりは半端じゃありません。デカイだけが取り柄だと思ったら大間違いなんです。

 

まずはパンですが、こちらで使われるパンはすべて天然酵母で作られたもの。しかもこれ、パン屋さんと共同開発した特注品なのだとか。

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そこに、油でさっと揚げた有機キャベツを敷き詰めていきます。この有機キャベツの味付けに使うのは、海外の高級塩と国産の塩をブレンドしたオリジナル塩。この有機キャベツのトッピングは夏季限定の特別サービスですが、ソーセージの代わりにこの有機キャベツを挟んだ「有機キャベツドッグ」も好評です。

 

そこに、チキンとポークの合挽きソーセージをどどーんと乗せます。

店長の角尾さんがこのソーセージを作っているというのが、「スーパーホットドッグ」最大の売り。ホットドッグに合うソーセージを追求し、お肉とハーブなどの配合率を試行錯誤していまの味に行き着いたのだとか。

 

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そこに、これまた自家製というケチャップとマスタードをかけ、さらにその上から「これでもか!」と言わんばかりにチェダーチーズをかけていきます。

 

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とうとう完成!見よこのボリュームを!

なんとか片手で持てましたが、ぜんぜん手に収まりません!

 

「ホットドッグはバランスが大事なんです。市販のパンやソーセージを使えばもっと安く作れるけれど、それは料理とは呼べないし作る意味がない。ホットドッグのためにイチから作った素材を合体させることで、バランスの取れた美味しいホットドッグができるんです」(角尾さん)

  

これはもう、美味しくないワケがありません。思い切り口を開けてかぶりつくと、パンのカリッ、キャベツのシャキッ、ソーセージのパリッが口のなかで弾けます。

 

うまい! うまいっ!! 手が汚れるのなんて気にしてられません。

 

ハーブの効いた肉汁と、ケチャップ、マズタードが口のなかで混ざり合いながら調和の取れた味わいが広がっていきます。

 

ケチャップは常に試行錯誤していて、いまのはバージョン10.5。微妙な味わいを少しずつ変えていて、もうすぐバージョン11が完成予定です。(角尾さん)

 

日進月歩で進化するパソコンのOSのようにより良いものを作るため、こんなネーミングにしているのだとか。角尾さんの探究心は尽きるところがありません。

 

そして、このホットドッグを縁の下で支えているのが、先程もちらっと紹介した天然酵母のパン。

天然酵母と聞いて固いパンを想像するかもしれませんが、このパンはちょっと別モノ。表面はカリっとほどよい歯応えがありながら、なかはフワフワ。質感も重すぎず、食べていると「美味しさ」を通り超して「気持ち良さ」すら感じてしまいます。

 

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▲脂がさっぱりしているからか、全然胃はもたれません

 

食べても食べても量が減らず、半分でちょっと休憩。

 

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ホットドッグとともに店長がオススメするのがこちらのベルギービール。セレブビールという銘柄で、ホットドッグとの相性抜群なのだとか。うーん、次回はぜひこれを飲みたい。

 

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2階はイートインスペースになっているので、ゆっくりと食事することもできます。ソーセージ単品や、ベルギー産のジャガイモを使ったフライドポテトもあるので、Barとしても利用できそうです。

 

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吉祥寺にお越しの際はぜひお立ち寄りを!

 

お店情報

【閉店】スーパーホットドッグ 吉祥寺ハモニカ横丁店 

住所:東京都武蔵野市吉祥寺本町1-1-8
電話番号:0422-27-2616
営業時間:12:00〜20:00(金曜日・土曜日 11:00〜22:00、日曜日 11:00〜20:00)
定休日:月曜日(定休日以外に不定休あり)不定休については随時ツイッターにて告知しています。
Twitter:@superhotdog777

※このお店は現在閉店しています。
飲食店の掲載情報について。

 

老舗フルーツパーラーのフルーツサンドがやっぱりウマかった! でもそれだけじゃない【京都】

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老舗果物店のパーラー!

甘いものが3度のメシより大好きなメシ通レポーター松永です。お酒より好きなものは……甘酒です。

それはさておき今回は、甘いもの好きにとっては天国のような場所、フルーツパーラーに行ってみます。

 

京都の四条大宮駅前に本店を構える老舗果物店ヤオイソといえば、京都の人ならよく知っている果物店ですね。なんと創業明治2年。市内に3店舗を構えるフルーツパーラーとしても知られています。

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こちらはヤオイソ本店。

 

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で、こっちがフルーツパーラー。

 

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以前は本店の2階にありましたが、2012年に本店の4軒隣に移転しました。

 

やっぱりハズせないフルーツサンド

そんなヤオイソの名物といえば、そう、フルーツサンド。1973年にフルーツパーラーがオープンした時から販売しているメニューです。

 

もう、京都でフルーツサンドといえば、ヤオイソと言われるぐらいに有名ですね。特徴的なのは、一つ一つの果実が大きいこと。

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これぞ、定番のフルーツサンド 702円。大きなフルーツがこぼれ落ちそうです。

 

「実は昔はフルーツを細かく刻んで生クリームと和えたようなものでした。それが、時代のニーズと言いますか、だんだん挟むフルーツが大きくなって今の形になりました」

と教えてくれたのは、6代目社長の長谷川良子さん。

フルーツパーラーを始めたのは良子さんのお父様であり、良子さんが小さい頃に家で食べた味は、細かく刻んだタイプのものだったとか。まさに果物店の家の味でもあったんですね。

昔のものはもっと生クリームを味わう感じでしょうか。それが、よりフルーツ自体をしっかり味わうタイプになったようです。

 

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果物自体の美味しさをしっかりかみしめつつ、その酸味と生クリームのまろやかさが一体となって口の中が幸せな状態になります……。

パパイヤが生クリームとマッチする味わいが特に好みです!

 

使っているフルーツは、イチゴ、キウイ、パイナップル、パパイヤ、メロンというのが長年の定番になっています。

イチゴ、キウイで1つのサンドに、パイナップル、パパイヤ、メロンで1つのサンドになっており、年中変わらず提供できるもので、味と色合いを考慮した結果の組み合わせなのだとか。パパイヤなんて、普段はあまり口にしないものが食べられるのも、果物店ならではですね。

 

通常のフルーツサンドのさらに具が大きい「スペシャル (864円)」、メロンがマスクメロンに変わって、マンゴーを追加した「ロイヤル (1,080円)」というのもあるそうです。

 

どれもパーラーで出すフルーツは、全て熟した一番の食べごろを見計らって、出しているのだそう。(熟したフルーツは傷みやすいので、果物店で売っているのは、少し時期が早いものだったりするんだとか)

 

フルーツサンドもいいけど、「葛あられ」もね!

そんなフルーツサンドとともに、今回紹介したいのが、並んで好評だというメニューの、「クリーム葛あられ」です。

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クリーム葛あられ 864円。こちらも大きめカット! パイナップル、メロン、イチゴ、キウイ、バナナアイス!

 

ジュースにフラッペ(夏期のみ)、パフェなんかもあるんですが、私がおすすめするのは、葛粉を使ったわらび餅のような食感のヤオイソ名物、葛あられです。

 

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甘すぎない、食感重視です。というか、口の中は甘いものだらけなんで甘さがあってもはっきりわからず。

 

フルーツ、黒蜜との相性も良く……。

うーん、甘くて柔らかいものだけを食べ続けられる、至極の時間です!

 

アイスクリームがのっていないものもありますが、個人的にはアイスをトッピングした方が、和風とも洋風ともならない雰囲気となり、味わいやコクも加わって好みです。

 

葛あられも、パーラーが始まった1973年当時からあるメニューだそうで、40年来の定番商品。サンドだけではなく、ぜひぜひご賞味ください。

 

 

なお、ヤオイソといえば、季節ごとのフルーツを使った「づくし」も名物。

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「づくし」とは、ひとつのフルーツで作ったサンド、パフェ、ジュースが提供される豪華なセットのこと。

 

取材にうかがった9月はイチジクでしたが、夏場はマンゴーや桃、秋は柿、ラ・フランス、栗、冬~春はイチゴと、季節ごとの豪華なラインナップ。想像するだけでも口の中が美味しくなります。

一番好評なのは、みんな大好きイチゴ。

 

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どうですか。旬の味覚がぎっしりとはこのこと。イチジクのサンド 864円(6月の出始めは 1,080円)

 

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こうやって並べてみると、天国みたいですね。うーん。(でも一人で全部は食べられず、お持ち帰りしました)

 

年中あるのは、ゴールデンパインサンド、静岡マスクメロンサンド、パパイヤサンド。そんなたくさんの種類のサンドやロールケーキなどの洋菓子は、本店のみ、お持ち帰りが可能です。

 

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ずらりと並ぶフルーツが圧巻ですね。

 

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フルーツサンドにゼリーに葛あられもテイクアウトOK

 

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本店の果物店では基本的には贈答用のちょっと高級なフルーツが並んでいます。

時代は変わっても、果物をプレゼントとしていただいた時のうれしさは変わりません。好評なのはやはりメロンだそうです! 温室で年中手に入るということもあるそうですが、見た目にもリッチですしね。

 

取材時のメロンに次ぐ評判フルーツは、季節柄、ぶどう!

 

果物屋さんだからこそ味わえる、この味。何度食べてもやっぱり美味しいフルーツサンドと、こちらもスゴくおすすめ、葛あられでした。

以上、甘いものでお腹がいっぱいになった現場からでした。

 

お店情報

フルーツパーラーヤオイソ

住所:京都京都市下京区四条大宮東入ル立中町496
電話番号:075-841-0353
営業時間:9:3017:00(LO 16:45

定休日:無休(年末年始を除く)

 

ヤオイソ四条大宮

住所:京都京都市下京区四条大宮東入ル立中町488
電話番号:フルーツパーラーヤオイソと同じ

営業時間:9:0018:00
定休日:無休(年末年始を除く)
ウェブサイト:http://yaoiso.com/

www.hotpepper.jp

※金額はすべて消費税込みです。
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

 

書いた人:松永大地

松永大地

1981年、静岡県生まれ。大学から京都に住み、早17年。出版社、大学勤務を経てフリー。唐揚げとミルクが好物です。お酒は極めて弱く、チューハイ2杯が限界ですが、酒場とアテは好き。

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パン生地からあふれるカスタード!関西で話題のクリームパン店創業者は「こだわりという言葉が嫌い」

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大阪駅前にある、大丸梅田店前の地下は、夕方の17時半になると、毎日のように行列ができます。

通りすがりの人は、「一体何の列?」と、足を止めることでしょう。
その行列の目指す先にあるものは、尼崎市に本店がある、「バックハウス・イリエ」のクリームパン 1個 179円の限定販売の売場です。

 

並んだ人たちは、「とにかく美味しい!」と言い、評判のクリームパンを求めてここへやってきます。


販売時間に合わせて、本店で焼き上げているため、届いたときはまだパンはホカホカ。気をつけて持たないと、中からとろーりとしたカスタードクリームが、パン生地を突き破って出てきてしまうほど、たっぷりとクリームが入っています。

 

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食に関しては厳しい大阪

安くて美味しいものは当たり前で、評判だからと言って、いつまでも同じことをしていては飽きられてしまいます。
いかにして、美味しいものを飽きられず評判を維持し続けられるのかは、提供する側にとってはいつも課題です。

 

生存競争の激しい中で、何年も変わらず支持されている秘訣は一体何なのでしょうか?
その秘密を知りたくて、尼崎市園田にある園田本店を訪ね、創業者の入江氏にお話をうかがうことができました。

 

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▲園田本店も客足が絶えないお店。客足が引いた一瞬がシャッターチャンス!

  

昭和40年代「もっと美味しいクリームパンを作れる!」と開発

昭和40年代、金沢のパン店でパン職人として修行をし、頭角を表していた入江氏。ある日、東京の有名菓子店による「クリームパン」を食べて、「もっと美味しいクリームパンを作れる!」と確信したとか。というのも、その当時の「クリームパン」と言われる商品は、今のようなカスタードクリームではなく、決して美味しいと思えるものではなかったとか。

 

そこで、入江氏は、洋菓子用のカスタードクリームをたっぷり使ったクリームパンを開発。発売直後から飛ぶように売れたそうです。

 

その後、今では大手の百貨店に出店するほど有名な神戸の洋菓子店の社長を務め、昭和63年に独立して「バックハウス・イリエ」をオープン。今のクリームパンの評判へと繋がっていきました。

 

ここのカスタードクリームは、ケーキに使われているような、とろけるような美味しい味。

有名洋菓子店で、培われた味のカスタードクリームを使用しているのだから、評価が高いのは納得できますね。

 

「こだわり」よりも大事なのはお客さんの喜び

「バックハウス・イリエ」は、1990年代から大丸百貨店に出店し、最盛期には1日に1800個ほどの販売があったとか。

あまりにも行列ができて通行の妨げになるなど、時代と共にさまざまな制限が課せられしまったために、当時ほど作ることはできなくなってしまいましたが、それでも平日は800個、週末は1000個ほど売り上げています。

 

さて、そのとろけるほど美味しいクリームパンですが、さぞかしこだわりがあるのでは? と質問してみたところ、「こだわりという言葉が嫌い」と一蹴されてしまいました。

とにかく、お客さんが喜んでくれるものを提供することに従事しているだけで、「味のバランスが一番大事」と入江氏。こだわりぬいた素材を使用しているわけではないけれど、何よりも「美味しい」と感じられる味のバランスを大事にしているそうです。

 

「職人として大事なのは人から求められる商品を極めること」。こぼれ落ちるほどたっぷりと入ったカスタードクリームは「ちょっとしたサービス」と、お客さんに対する感謝の気持ちをこめて多めに入れているのだとか。

その心意気こそが、買う側にとってはとてもうれしく、お得が大好きな関西人の心をくすぐります

 

焼きたてのパンは、周知のごとくとても美味しいのですが、このクリームパンは冷めても充分美味しいと思っています。

だから、「冷めても美味しいですよね」と述べたところ、「そんなことはない。焼きたてが一番美味しい」と、決して譲らないところがまさに職人気質の言い分。

 

入江氏はそう仰いますが、ここのクリームパンは、冷めても美味しさが損なわれず、「冷やして食べるとまた格別」と言う知人もいるほどです。

 

食パンやシュークリームも

さて、ほかにも入江氏が力を入れているのが食パンです。

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▲密かな好評商品の食パン


「器用貧乏」とネーミングされた食パンは、親しみを感じます。
トーストして食べてみると、さっくりとした食感で何枚でも食べられそうです。
最近ブームになっているフレンチトーストにしたら、違う美味しさも楽しめます。

 

また、クリームパンと並んで好評なのが、シュークリーム。
クリームパンとはひと味違ったカスタードクリームは濃厚で病みつきになる味。

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▲濃厚カスタードクリームの入ったシュークリーム


やはり洋菓子店のノウハウが感じられて、クリームパンと並んで、好評商品なのがよくわかります。

そして、個人的にオススメなのが、「ゴールデンタイム」。デニッシュ生地に、粒あんと生クリームがたっぷり入っており、もうパンの枠を越えた立派なスイーツです。

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▲「ゴールデンタイム」という名前は、「金時」という意味でネーミングされた

 

パン店で使われるホイップクリームは、動物性の生クリームを使わず、植物性のホイップクリームを使うことがほとんどですが、ゴールデンタイムは生クリームを使用しているので、ケーキを食べている感覚なので、生クリーム好きはきっとはまってしまうことでしょう。

 

また、「シルバータイム」という商品もあり、こちらはカスタードクリームと生クリームが入っています。


大丸梅田店でのクリームパン販売は、15:00~と17:30~の2回販売。
1個 179円でお一人様10個まで。水曜日は、阪急うめだ本店で販売をしています。

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▲園田本店は、イートインコーナーで焼きたてをその場で食べることができる

 

本店、大丸のどちらで購入してもいいけれど、大阪に行ったときには一度は食べないともったいないクリームパンです。

 

お店情報

バックハウス・イリエ 園田本店

住所:兵庫尼崎市東園田町2-48-2
電話番号:06-6494-6353
販売時間:15:00~・17:30~
販売日:水曜日以外
Facebook:https://www.facebook.com/backhausirie/

 

大丸梅田

住所:大阪大阪市北区梅田3−1−1 1 サウスゲートビルディング 地下1階 コンコース 東出入り口
電話番号:06-6343-1231(大丸)
販売時間:15:00~・17:30~
販売日:水曜日以外

 

阪急うめだ本店(水曜日のみ)

住所:大阪大阪市北区角田町8番7号
電話番号:06-6361-1381
販売時間:11:30~・15:30~・17:30~
販売日:水曜日

 

※金額はすべて消費税込です。
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。 

 

書いた人:Jeana

Jeana

三重県生まれ。ライター。編集プロダクションを経てフリーに転身。webを中心に活動中。食べることには目がなく大食漢。プリン、モンブランを見つけると食べずにはいられないが、一方でオーガニック、グルテンフリーにも興味々。

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