下関マグロの「ニッポン全国美人ママさんハシゴ酒」
第4回:高円寺「薬酒bar 高円寺」いとこママ
わんばんこぉ、下関マグロでおまっ。
今回も美人ママのいるお店へ飲みに行っちゃいますぜ。
さて、今回の町はこちら、高円寺。
高円寺にはいい飲み屋がけっこうあるし、美人ママも多数いる地帯じゃないっすか。
この高円寺驛という看板があるのは南口。今回は北口だよん。
北口を出ると左へ。そうすると中通り商店街というのがあるので、そちらを往くよ。
この看板が目印!
「薬膳酒あります」とある。
ちょっと急な階段を上がっていくよ。
階段のところにメニュー表があるね。
へえ。あ、あれ。
えっ。。。
ひょっとして、怪しい店なのかしらん。
と、もうひとつ案内と店内の写真があった。
「ごく普通のバー」を強調してる(笑)。
ちょいと怖いけど、階段をあがってみよう。
こりゃ、急な階段じゃ。
恐る恐るドアを開けてみる。
ガンガンの音楽。いやぁ、こりゃDJバーじゃないの。
あ、カウンターに美人がいる!
「あの、お店のママさんですか?」(音楽がガンガンにかかっているので大声で)
「あ、はいそうです」
うわぁ、浴衣美人だね。
お名前は?
「“いとこ”といいます」
じゃ、いとこママ、乾杯させてください。一杯目は、えっと、
入口にあった、メニュー表のアレは……
「ニクジュヨウですね」とママ。
こちらには、滋養強壮、元気がほしい方へって説明になっている。夏バテ気味だし、一杯目は肉需要じゃなくてニクジュヨウください。
「飲み方、どうします?」
ロックとかいろいろあるのか。
あ、辛口ジンジャーエール割でお願いします。
これ、飲みにくいんですか?
「そうでもないですね。割と飲みやすいですよ」
乾杯したいので、ママにも一杯おごらせてください。なに飲みます?
「じゃ、日本酒で」
ママとの出会いに乾杯!
ママの飲みっぷりもいいね。ママに年齢を聞くのはご法度かもしれないけど、おいくつなんでしょう?
「39ですよ」
と、さらりとおっしゃるところが自然体でいい。なんか心をわしづかみにされたかんじだ。
で、ニクジュヨウをごくごく。のど乾いてたんだよね。
ああ、これはうまい。ごくごくいけちゃう。好きだなぁ。しかも、すっごく元気になったような気がする。
って、言ったら、ディレクターやカメラマンさんが、なんだかつまらないって顔してるよ。
カメラマンの平山さんが「きついのって、どんなのがあるんですか?」
って、ママに聞いてる。
わざわざそんなもん飲まなくても。。。。
「ニンジンですかね」といとこママ。
「においがもうすごいんですよ」
どれどれ、嗅がせてもらったけど、あまり感じない。
じゃ、それもらいます。ロックにしようかな。
このニンジンって朝鮮人参なの?
「そうですよ」
これは精力がつきそう。
「はい、どうぞ」
いただきまする。
ああ、これは生臭いというか、ずいまーですな。
体にはよさそうだけど。
ところで、いとこママ、ここって、お通しとかないの。
「あ、そーゆーのないんですけど、フードは実は充実しているんですよ」
えっ、どういうこと?
「ここはフード持ち込み可なんですよ」
へーっ。
「下のハンバーグ店からは出前も取れますし、餃子の王将で買ってくる人もいますよ」
じゃ、餃子かな、って言うと、取材スタッフが買いに行ってくれた。
やっぱり餃子はビールだね。
ママ、ビールをお願いします。
「それではこちらをどうぞ。これは薬膳ビールなんですよ」
へえ、いただきます。
濃厚な味わいのビール。ちょっとベルギービールっぽいけど、麦禅という日本のビールなんだよね。
ママも餃子食べてよ。
食べっぷりがいいね。それから王将でもう一品。ホルモン炒めも買ってきたよ。
隣のグループは王将から唐揚げを買ってきてた。これもうまそう。
唐揚げとホルモン炒め、交換してよ、
「あ、いいっすよぉ」
ってことで、なるほど、フードは充実してるね。
ところで、いとこママ、階段のところにあった板はなに?
「あれは滑り台なんですよ」
と、ここで平山カメラマン、ママを連れ出して階段へ。
滑り台を滑っているいとこママの写真を撮っているところ、上から見ているのだけれど、なかなか戻ってこない。
こんな写真やあんな写真を撮っている。
アンニュイないとこママ。
帯はおばあちゃんからもらったんだそうだ。
見返り美人的なママ。
なかなか戻ってこないので、様子を見に階段を降りていくと、
「だめですよ、マグロさん、映り込んじゃいますから」
と上に戻らされた。
と、さらに撮影を続けている。
仕方ないので、戻ってDJがかける今風の音楽に耳を傾ける。
DJが、寂しそうな僕を見て、「それじゃ、お父さんおハートをがっちりつかみますよ」と言い、かけてくれたのが、ガロの「学生街の喫茶店」。
いやぁ、僕が中1の時に流行った曲だよ、って感激。
さらに泉谷しげるなんかがかかってうれしくなる。
ああ、DJバーって楽しいんだね。
と、やっと呼ばれて下で記念撮影。
聞けば、いとこママ、知り合いのパーティがあって、それにいかなきゃいけないので、もうあまり時間がないとのこと。戻って急いで話を聞く。
いとこママ、このお店には月に2、3回くらいしか顔を出さないのだそうだ。
なのでお店のホームページでママの出勤日を確認してほしい。
「普段はOLやってて、あちらこちらのお店で“流しのママ”をやってます」
定期的にやっているのは?
「新宿のゴールデン街とかでも、金曜日の夜はママやってます」
おお。でも、せっかくだから高円寺のこのお店でいとこママに会いたいよね。
お客さんからモテるでしょ。
「ふふふ。どうなんでしょう。でも、ママ友がね、あ、お母さんじゃなくて飲み屋のほうのママさんの友達がね、私のことを“ゴールデン街の原田知世”っていろんな人に言うんですけど、ちっとも浸透しないんですよ(笑)」
ふはは、話がおもしろすぎ。
「あ、もう行かなきゃ」
あ、それじゃ、最後にきまりの質問があるので、お願いします。
- お店のモットーを教えてください。
「がんばりすぎない」
- ママさんの好きな男性のタイプは?
「好みのタイプは特にないんですけど、白シャツと黒縁メガネの人にときめきます」
- 自分の性格をひとことで言うと?
「カタチにこだわらないタイプだと思います」
- いちばんの得意料理はなんですか?
「唐揚げですね。生姜とお酒多めで漬け込みます」
- どんな言葉で口説かれたらドキッとしますか?
「ストレートに、好きだよとか、会いたいって言われると射抜かれますね」
- 『メシ通』の読者にひとことお願いします!
「ふつーの生ビールも、ふつーのお酒もあります。お気軽に遊びに来てくださいね」
写真:平山訓生
お店情報
薬酒Bar 高円寺
住所:東京都杉並区高円寺北3-1-14 山本ビル2F(高円寺駅北口 中通り商店街 一階ニューバーグが目印です)
営業時間:平日19:00~1:00
総席数:7席 スタンディングで30名
書いた人:
下関マグロ(しものせき・まぐろ)
1958年生まれ。山口県出身。出版社、編集プロダクションを経てフリーライターへ。『東京アンダーグラウンドパーティー』(二見書房)、『歩考力』(ナショナル出版)『まな板の上のマグロ』(幻冬舎)など著書多数。
- Twitter:@maguro_shimo