予算200円で、焼きそばはここまで成長できる

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ワンコインあればランチを食べられる店はあちこちにあるし、おかず盛りだくさんの幕の内弁当も買えます。けれど、その500円のねん出が厳しかった経験はありませんか?

いえ、別になくてもいいんです。なくてもいいんですが、特に料理するのが好きというわけでもない人が自炊する際には、何らかの付加価値があったほうが気持ち的に盛り上がるというものです。

 

そこで、焼きそば。

ソース焼きそば、家で作ってみましょう。

フライパンで炒めて粉末ソースをかければでき上がる、即席麺と並ぶ手軽さ。よく見かけるタイプなら、3人前(3袋)入って100円台。

この焼きそばを低予算で、量的にも質的にも満足できる逸品にしてやろうではありませんか。

 

ここで予算を500円に設定してしまうと、わざわざ自炊するうまみがありません。しかもスーパーの惣菜売り場で売られている弁当には398円、ものによっては298円なんてものもあります。かといって予算100円では、ボリュームは出せたとしても質的に満足できるものが仕上げられるか、いささか不安があります。

 

というわけで、予算200円ならどうですか。焼きそば3人前を作るとして、ひとり200円の予算で「こんなの作れたよ!」という驚きと感動を自分自身に与えられるやきそば、作ってみましょう。

 

そして、スーパーの特売日を狙って買い集めた食材がこれ。

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  • 豚肉US産切り落とし100g 92円
  • もやし 19円
  • ちくわ 68円
  • キャベツ1/2個 108円
  • しめじ 92円
  • 玉ねぎ・じゃがいも・にんじん 3つで92円 471
  • 焼きそば(3人前) 129円

合計:600円+消費税8%=合計648円

 

すごい、すごいです。消費税抜きなら、見事にひとり200円に収まりました。

ただし、これはチラシをまめにチェックし、複数回にわけて買い物、さらにもやしとちくわはスーパーより安く売られているドラックストアで購入と、少々手間をかけた結果です。特売日無視で買うと、同じ食材でひとり280~300円くらいの予算になりそうな感じでした。

こういう買い物の仕方はフルタイムで働く社会人にはハードルが高いので、買い物に行った日に特売になっているものを買う、という形でいいと思います。焼きそばの具にルールはありません!

 

今回購入した食材を選んだ理由はそれぞれあります。

まずキャベツはボリュームアップに不可欠であることと、そもそも焼きそばと相性がいいこと。じゃがいもとにんじんは固さがあるので食感を楽しめ、しかもやはり増量に貢献してくれること。たまねぎはじゃがいも・にんじんと組み合わせて3点で92円だったことと、たまねぎの甘みがソース味のいいアクセントになると思ったこと。しめじはボリュームアップのため、そしてローカロリーだから。豚肉はやっぱり露店で買う焼きそば程度でも入っていてほしいから、ちくわは豚肉が少ない分そのフォロー役、そしてもやしは調理の最後に投入することでシャキシャキ感が楽しめるから。しかも激安。

 

では作っていきます。

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材料を切ります。豚肉は単独で炒めていったんフライパンから出しておくと、固くなりすぎるのを防げます。ちくわは輪切りだってOK。お好みの切り方で。 

 

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具が多いので、1種類ずつ炒めて、そのつどフライパンから出した方が賢明です。玉ねぎはもっと細切りでもいいけれど、食感を残したいならこのくらいで。味付けはまだしません。 

 

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ひどい写真だ! じゃがいもとにんじんも炒めます。ちくわやしめじと合わせようと細切りにしましたが、じゃがいもをサイコロ状にしてもいし、にんじんも輪切りだってありです。これもまだ味付けはしません。

 

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まずはここまで炒めた食材を混ぜて、キャベツを投入してから焼きそばとちくわも入れます。焼きそばは電子レンジでちょっと温めておくとほぐれやすいです。

ここで炒めすぎると野菜から水分が出てしまうので、あまり炒めすぎないように。野菜の水分を焼きそばが吸ってしまうとリカバリーできません。

そしてキャベツがまだちょっと固いかな、程度の段階で最後の食材、もやしも参戦です。

そしてすぐに粉末ソースを入れ、火を止めて混ぜます。これも混ぜている間に野菜に火が通りすぎてしまうのを防ぐためです。もやしは余熱で火を通す感じです。

 

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具が多すぎて粉末ソースだけでは味が薄く感じられると思うので、ウスターソースやオイスターソース、塩コショウなどをお好みで加えてください。個人的には粗びきコショウを入れるのもおすすめです。

実は、最後のオールミックス状態ではフライパンのキャパを超えました。なので上記の写真は2人前です。

 

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すぐに食べない場合は炒めた食材を冷凍しておけば、次は焼きそばと混ぜるだけで済みます。 

さあ、それでは皿に盛りつけた、予算ひとり200円の焼きそばを見てみましょう。

 

どーん

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これで一人前です。ボリュームがわかりやすいよう割り箸を置いてみました。

焼きそばの麺は調理前で100g。この一人前の焼きそばの重量は608gありました。デカ盛りか!

 

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こっちのアングルのほうがボリューム伝わりますか。

 

正直、ここまで大増量になるとは思っていませんでした。勝因(?)は、水分が出ないじゃがいもとにんじんを具にしたことにあると思います。特に、じゃがいもを焼きそばに入れるという発想はこれまでの自分にはなかったので、シャキシャキ感の残るじゃがいもとソース味がこれほど合うとは、うれしい発見でした。今回、具の中でいちばんいい仕事してくれたのは間違いなくじゃがいもです!

これでひとり200円。400~500円で売られている露店の焼きそばを思い浮かべてください。普段自炊しない人でも、「たまにはありだな」と思ったりしません?

焼きそばを作る際の注意点はただひとつ、野菜を炒めすぎて水分が出ないようにすることだけです。誰でも作れる焼きそばで、ぜひ満腹と満足を味わってください。

 

書いた人:椿あきら

椿あきら

猫の下僕をしているライターです。猫と暮らすようになってから、断然家飲み派になりました。著書に『オリンピックと自衛隊 1964-2020』(並木書房)。

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