腹ペコじゃなきゃ、行っちゃダメ絶対!
ハイタイ!(※1) 石垣島出身のメシ通レポーター泡です。今回は、我が島が誇る島人満腹・デカ盛り食堂にご案内いたします。
さー、みなさんお腹は空いてますかー。
「でーじヤーサン!」(※2)
おお、いいお返事ですね。ではでは、行ってみましょう!
- ※ 1 ハイサイ(こんにちは)の女性語。
- ※ 2 でーじ(とっても)、ヤーサン(お腹減った)という意味の方言。
ちなみに、タイトルの「アキサミヨー!」はとても驚いたときに使う感動詞。
石垣市街の中心部にあるバスターミナルから、桟橋通りを北へ。
桟橋通りはゆるやかな坂道になっています。お店までは徒歩20分弱ですが、石垣島はタクシーの初乗りが430円~と手頃なので気軽に乗ってしまうのもオススメ(1~2メーターで到着)。
みてくださいこの渋い店構え!
レンタカーの場合は、お店の右手から入った所に駐車場があります。昼時はとても込み合うのでご注意あれ。
店内には、座卓を備えた小上がりと、いかにも昔ながらの食堂っぽいテーブル席があります。席数は多めなのでグループでも訪問しやすいのが重宝。正午になると地元客で一気に席が埋まるため、観光の場合は少し時間をずらした方がいいかもしれません。
入口にある水槽ではキレイな熱帯魚がひらひらと泳いでいます。
壮観のお品書きはこちら。ザ・島食堂! というラインナップでございます。
今回は、高校時代の同級生を呼び出して胃袋を拝借しました。25年前は昼休みに元気いっぱいでこのお店の定食などたいらげていた我々も御年40ン歳。無事完食することができるのでしょうか……。
1品目:野菜チャンプル 650円。
食べ手:市役所勤務の男性。ややメタボの気があるも、スポーツ指導員もしているため全体的に引き締まっている。酒飲み。
「あっさりめがいいと思って選んだけど、この量よ!! 豆腐だけでも内地の一丁分くらいある感じがする……(島の豆腐は本州の豆腐の倍くらいの大きさ)。野菜がシャキシャキしてるのがいいな。この皿と比べるとそうは見えないけど、ご飯も多いどー。普通のご飯茶碗2杯はあるんじゃないか」
チャンプルとご飯をふた口ばかり残してギブアップ!
「うちの息子は、高校時代にここのオムライス(ティッシュの箱くらいある大きさ)とそばを両方食べてたけど、信じられんな!」
2品目:エビフライ定食 1,200円。
食べ手:自営業の男性。嫁に言われて日々ダイエットに励むも、目の届かないところではガッツリしたものが食べたくなる。酒飲み。
「家でエビフライは子供のものだから、独り占めしたかった。でも5本は多かったか。俺もトシとったなぁ(しみじみ)。刺身や煮物、揚げ物にそばまでついてこの値段はたまの贅沢にいいと思う」
ご飯少々を残してほぼ完食!
「これだけのおかずがあったら、どんだけしまー(泡盛)が飲めるかなーってずっと考えてた」
3品目:ソーキ汁ご飯付き 700円(単品 600円)。
食べ手:ピアノ講師の女性。小学生の子供が2人。普段のランチは夫とともに自宅でとることが多い。酒飲み。
「ソーキ(豚の軟骨)の料理って、子供が小さいとなかなか作ることないから、気軽に食べられるのはいいネー。ダシがしっかり効いてておいしいサー。ソーキが、1……2……、5個も! 豆腐や野菜もいっぱい入ってるから、栄養的にも完璧だね、子供に食べさせたい」
働くオカン、キレイに完食です!
「この値段でいいのかねぇ」
4品目:かつ丼 650円。
食べ手:設計士の男性。高校時代から変わらないスリム体型。海外での食べ歩きが好きで、つい先日も香港で食べ倒してきたところ(2016年9月現在、石垣島から香港直行便あり)。酒飲み。
「かつ丼、いつぶりに食べるかな。こんなに多かったか? そうそう、この野菜炒めがカツと一緒に玉子とじになってるのが島のかつ丼だよな。味付けは甘めで。懐かしいサー。……おわっ、カツがご飯の中で二段になってるど! 食べても食べてもある~」
騒ぎながらも、付属のミニそばの汁まですべてキレイにぺろり。細身の人の方が大食いってのは信憑性あるな。
5品目:Aランチ 1,200円。
食べ手:フリーライターの女性。肥満と高血圧のほかは健康体。島に帰ると味の濃いものばかり食べたくなるのが悩み。酒飲み。
「噂に聞きつつもまだ食べたことがなかったAランチ。沖縄の食堂によくあるワンプレートもりもりセットなんだけど、なにこのボリューム。祭りか、祭りなのか!!!」
お店の方も半笑いで持ってくるこの(どうかしてる)料理。サイドからの景色はまさに山。せっかくなのでチーム・ザ・Aランチのメンバーをご紹介しましょう。
上手(かみて)!
肉団子、エビフライ2本、魚フライ、野菜天ぷら!
いきなり来ました揚げ物カルテット! 生クリームのようにかわいらしく添えられたタルタルソースがそそります。カロリーはまったくかわいくないでしょうがね。
センター!
赤ウインナー(揚げたの)、ササミフライ、そして豚カーーーツ!
ササミはまるごと1本、豚カツに至ってはチラ見で存在を隠しつつ、その実、皿の1/3を占めるほどの大きさっていうね。豚カツを敷いた上にポークやらなんやらが乗ってるっていうね。もう、好きにして!
下手(しもて)!
牛焼き肉とポーク玉子!
甘辛く味つけした牛肉とたっぷりの野菜は見た目以上にたくさん盛り込まれています。白飯に合う存在としてはメンバー随一。そして、沖縄の食卓に欠かせないポーク玉子。ポークの塩気とケチャップの甘酸っぱさはテッパンのマッチング。
これは……食べ応えがあるってレベルじゃない。ちょっとした家族分くらいありますやん。
ビールがあれば勢いで完食できそうな気がする……。けどやっぱちょっと無理っっっ。
豚カツ、エビフライ、肉団子をひと切れずつ市役所男子に献上したほかは、メイン皿完食。しかし、ご飯とミニそばはあとひと口がどうしても入らなかった……無念。
「今度はビールを傍らにリベンジしたい。ていうか、ご飯なしにしてこれでオリオンビール飲みたい」
50年、歴史を重ねてきた親子三代
こんなデカ盛り料理を作り続ける人はどんな巨漢よ、と思いきや、店主の阿佐伊さんご一家はみなさん普通体型。
「お店は今年で52年目。私とお父さんが今の場所より少し南側で始めましたよ。最初はトタン葺きの屋根でね」と、大女将の阿佐伊 時子さん(写真中央)。
「その頃は、下宿生や先生達のご飯を朝、昼、晩と三食作ってました。30人以上はいたかねぇ」
推察するに、食べ盛りの学生や若い教員がお腹いっぱいになるよう、大盛りのご飯を作ってきたというのが、今のこのスタイルの根幹にあるのではないでしょうか。
今から40年近く前に現在の場所へ移転。20年ほど前からは、長男の斉さん・扶美子さん夫妻もともにお店を切り盛りするようになったそうです。最近では、斉さんの息子・裕貴さんも加わり、親子三代での営業となりました。
時子さんの妹・長田のり子さんもお手伝い。家族ならではの結束力で、日々、島人の胃袋を満たしてくれているのです。
「どんなに忙しくても、時間が早くても遅くても一緒に働いてくれるのは家族だからさね」とうれしそうな時子さん。
いつまでも家族仲良く、たっぷりの愛情でたっぷりのご飯を提供し続けていただきたいものです。
店舗紹介
【閉店】あさひ食堂
住所:沖縄県石垣市登野城218
電話番号:0980-82-3234
営業時間:11:30~16:30(LO)、18:00~21:00(LO)
定休日:日曜日
※金額はすべて消費税込みです。
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※このお店は現在閉店しています。
※飲食店の掲載情報について。