
▲写真提供:しらいのりこ(料理写真)
いまいち使いこなせていない耐熱ガラスボウルをハックしたい……!
メシ通レポーターの裸電球です。
突然ですが、皆さんは耐熱ガラスボウルをお持ちですか?

私は調理器具をひと通りそろえた時に耐熱ガラスボウルを購入したのですが、正直数回しか使っておらず、キッチン棚の奥に長い間鎮座させています。

重いし、かさばるし、ステンレス製のボウルで良かったなぁ……。これってどうやって使うのがいいんだろう? と思っていたのですが、料理研究家のしらいのりこさんにその旨を話したところ、「耐熱ガラスボウルはめっちゃ使いやすいですよ!!」と熱弁され、特徴や使い方をお教えいただくことに。
これまでほぼ使うことがなかった耐熱ガラスボウル。一体どんな可能性が眠っているのか。早速取材の様子をお届けしていきます!

耐熱ガラスボウルの特徴を料理研究家に聞いてみた!
裸電球:しらいさん、よろしくお願いいたします! まずは耐熱ガラスボウルの特徴を教えていただきたいです。
しらいのりこ(以下、しらい):よろしくお願いします。似たアイテムにステンレス製のボウルもありますもんね。個人的に耐熱ガラスボウルは本当に便利なアイテムだと思っているので、いろいろとお話していければと思います。
裸電球:では、しらいさんの考える耐熱ガラスボウルの一番の魅力ってなんでしょうか?
しらい:一番の魅力ですか……。悩ましいですが、材料を混ぜたあとにそのまま電子レンジで調理できることですかね。

裸電球:ちなみに、ステンレス製のボウルって電子レンジで加熱することはできないんでしたっけ?
しらい:基本的にステンレス製品は電子レンジでの加熱はできません。火花が飛び散ることもあり、電子レンジが故障することもあります。最悪の場合、火災の原因にもなったりします。
裸電球:そうなんですね。(知らなかった……!)
では、ボウル型の調理器具で材料を混ぜたあとに、そのまま電子レンジで加熱できるのが耐熱ガラスボウルの大きな特徴なんですね。
しらい:そういうことですね。ただ重量もあるので、サラダなどの電子レンジ加熱がいらない調理には、ステンレス製のボウルを使うと良いと思います。
裸電球:他にも耐熱ガラスボウルの良さはありますか?
しらい:電子レンジで油を使わない料理も、油を多めに使う料理も調理できることかなと思います。フライパンでは油を引かないと上手に調理できない料理も、耐熱ガラスボウルなら簡単にノンオイルで調理できます。
逆に、油多めの調理をする場合も、問題なく調理できるのも唯一無二の特徴かなと思います。
裸電球:要するに、重量はあるが丈夫で、いろんな料理の電子レンジ調理に安心して使えるということですかね。言葉にしてみると便利そうですね。
しらい:そういうことですね。あとは、耐久面で比べると、ステンレス製のボウルよりも耐熱ガラスボウルの方が傷つきづらく丈夫です。
かつ、油汚れが落ちやすいので、長い間清潔に使い続けられる調理器具なのかなと思います。大きいサイズの耐熱ガラスボウルを使用すれば、2〜3人分の電子レンジ調理ができる点も特徴かなと思います。
裸電球:夏などの暑い日に火を使わずに、家族分の加熱調理したい時には有用そうですね! 逆にデメリットは、「重いこと」「落とすと割れる可能性がある」ことでしょうか?
しらい:そうですね。耐熱ガラスボウルはかなり丈夫なので、なかなか割れることはありませんが、特徴を理解した上でステンレス製のボウルとうまく使い分けられると一気に使いやすくなるんじゃないかと思います。
では、いくつか耐熱ガラスボウルを使ったレシピをご紹介しましょうか。
裸電球:どんな料理が作れるのか楽しみです! よろしくお願いします。
耐熱ガラスボウルで作るボロネーゼパスタ
しらい:まずは、耐熱ガラスボウルで調理したボロネーゼパスタから紹介しますね。
裸電球:耐熱ガラスボウルでパスタが作れるんですね。
しらい:調理工程は耐熱ガラスボウルに材料を入れて電子レンジで加熱するだけですので、ものすごく簡単に作れますよ。
裸電球:パスタってたっぷりのお湯を沸かして麺を茹でて、ソースも別で作らなきゃいけないので大変なイメージがあるんですが、本当にそれだけで作れるんですか?

▲写真提供:しらいのりこ
しらい:はい、びっくりするほど簡単に作れると思いますよ。ちなみに試作してみたんですが、美味しくできましたよ。
裸電球:お店で出てくるようなクオリティのパスタですね! 早速作り方を教えてください。

材料(1人前)
- パスタ……100g
- 合いびき肉……80g
- 水……200ml
- トマト缶(カット)……100g
- 赤ワイン……大さじ3
- 牛乳……大さじ3
- フライドオニオン……10g
- オリーブオイル……小さじ1
- 塩……小さじ1/2
- パセリ……適量
作り方
しらい:それでは耐熱ガラスボウルに、パセリ以外の材料を全て入れてしまってください。パスタは半分に折るとうまく中に入ると思いますよ。

裸電球:材料は全部入れるだけで良いんですね。やることが、パスタを折ることくらいじゃないですか!
しらい:そうですね。軽く全体を混ぜたら、電子レンジ(600w)に入れて12分加熱してください。
※パスタの太さやメーカーごとに加熱時間が異なる場合があります。パッケージに記載されている推奨加熱時間+3分を目安に電子レンジで加熱するようにしてください。

裸電球:いくらなんでも簡単すぎませんか。見た目はこんな感じですが、本当にさっきみたいなパスタができるんですよね?
しらい:はい、大丈夫ですよ。

裸電球:時間になりました! 水分がなくなってちゃんとパスタっぽくなってます。
しらい:いい感じですね。全体をよく混ぜてお皿に盛り付けて、パセリを振りかければ、耐熱ガラスボウルで作るボロネーゼパスタの完成です!

裸電球:あっという間にできちゃいましたね。調理工程も本当に簡単で、料理が苦手な人でも余裕で作れちゃうと思いました。

裸電球:パスタの茹で加減がバッチリで、具材もゴロゴロしていて美味しいです! パスタの芯まで味がしみている感じで、電子レンジで加熱しただけとは思えないです。
赤ワインとフライドオニオンを入れているからか、深みとうま味がプラスされているように思います。こんなに美味しいパスタが作れちゃうなんて、耐熱ガラスボウルを甘く見てました……。
しらい:パスタの茹で上げとソース作りが同時にできるので、圧倒的に手軽で時短になりますよね。他にもレシピがあるのでどんどんご紹介していきますね!
耐熱ガラスボウルがあればカレーも簡単に作れちゃう!
しらい:では続いてはチキンカレーの作り方をご紹介していきますね。
裸電球:耐熱ガラスボウルでカレーも作れるんですか?

▲写真提供:しらいのりこ
しらい:そうなんです。2〜3人分のカレーを作れますので、家族分のカレーを簡単に作りたい時などに、使えるレシピになっています。上の写真のように美味しくできますよ。
裸電球:具沢山で美味しそうですね。早速作り方を教えてください!

材料(2人前)
- 鶏もも肉……200g
- じゃがいも……150g(1個)
- 玉ねぎ……100g(1/2個)
- カレー粉……大さじ2(固形のカレー粉2片でも代用可)
- 味噌……大さじ1
- にんにくすりおろし……小さじ1
- 生姜すりおろし……小さじ1
- 水……100ml
- 梅干し……1個
- ご飯……お好みの量
作り方
しらい:まずは具材をカットしていきます。玉ねぎは2〜3mmの薄切りに、じゃがいもは皮を剥いてひと口サイズになるように6〜8等分にカットしてください。

裸電球:鶏肉は唐揚げ用のカット済みのものを買ったので、包丁を使うのは野菜を切る時だけでした。

しらい:あとは梅干しの種を取って、カットした具材とご飯以外の材料を耐熱ガラスボウルに入れて軽く混ぜ合わせてください。
準備ができたら、耐熱ガラスボウルにラップをして電子レンジ(600w)で6分加熱してください。

裸電球:今回も本当にあっという間ですね。
しらい:6分経過したら一旦取り出して全体を軽く混ぜて、再度ラップをかけて電子レンジ(600w)で4分加熱してください。
裸電球:一気に10分加熱しないのはなぜですか?
しらい:電子レンジは特定の箇所が集中的に加熱されてしまう場合があるので、ムラが出ないように2回に分けて加熱することをおすすめしています。
加熱時間が10分以上と長い場合や、厚みのある肉や魚を電子レンジで加熱する際は、2回に分けることでムラなく全体を加熱できるので、ぜひ覚えておいてください。
裸電球:なるほど、勉強になります!

しらい:電子レンジでの加熱が終わったら、ご飯と共にお皿に盛り付ければ、耐熱ガラスボウルで作るチキンカレーの完成です!

裸電球:電子レンジで調理していますが具材の中までしっかり加熱されていますね。玉ねぎのシャキッとした食感やじゃがいものホクホク感が楽しいです。味噌と梅干しが入っているので、和風な味わいであっさり食べられるのが良いですね。
しらい:実は耐熱ガラスボウルでカレーを作るメリットは、後片付けにあるんですよ。
裸電球:どういうことでしょう?
しらい:そもそも洗い物が少なく、キッチンをほとんど汚さないで作れることに加えて、耐熱ガラスボウルは油汚れに強いので、簡単に洗い流せるんですよ!
裸電球:いやぁすごいですね、耐熱ガラスボウル。いつもカレーの鍋洗いは苦戦するんですが、確かに簡単に油汚れが落ちました。
耐熱ガラスボウルで作る麻婆春雨
しらい:次は中華料理のレシピをご紹介しますね。麻婆春雨なんてどうでしょうか?
裸電球:麻婆春雨好きです! でも、家で作ったことはないですね。
しらい:先ほどご紹介したパスタが春雨に変わるイメージなので、簡単に作れますよ!

材料(1人分)
- 春雨……50g
- ニラ……50g(1/2束)
- 豚ひき肉……100g
- 豆板醤……小さじ1
- 味噌……大さじ1と1/2
- ごま油……小さじ1
- 砂糖……小さじ1
- 水……200ml
作り方

しらい:まずはニラを3cm程度の長さにカットしてください。下準備はこれだけです。
裸電球:わかりました! 相変わらずめっちゃ簡単ですね。

しらい:続いて耐熱ガラスボウルに、ニラ以外の材料を入れます。春雨は半分に折って入れましょう。
裸電球:本当だ! さっきのパスタと作り方が似ていますね。
しらい:耐熱ガラスボウルレシピは、基本的に材料を入れて電子レンジで加熱するだけですからね。料理が苦手な方には本当におすすめしたいです。

しらい:耐熱ガラスボウルに材料を入れたら、ラップをせずに電子レンジ(600w)で4分加熱してください。
裸電球:あれ、今回はラップをしないんですね。
ラップをせずに電子レンジで加熱する場合と、ラップをする場合の違いはなんですか?
しらい:水分を飛ばしたくない場合はラップをして、水分を飛ばしたい場合はラップをしないと考えると良いかなと思います。電子レンジで加熱する時にラップをすることで、水蒸気が溜まり水分が外に逃げづらくなります。
また、ラップをすることで熱も逃げづらくなり、温度を上げる効果もありますよ。
裸電球:なるほど、わかりやすいです! なんとなく電子レンジで加熱する時は全てラップをした方が良いと思っていましたが、ラップの有無でそのような違いがあるんですね。勉強になります。

しらい:家庭科の授業でも習わないですもんね。お伝えできて良かったです。
では、加熱した具材が入った耐熱ガラスボウルを一度取り出して全体を1回混ぜたら、ニラを加えてさらに3分加熱してください。
裸電球:すでに美味しそうな匂いがしてます!! 麻婆春雨楽しみです。

▲写真提供:しらいのりこ
しらい:全体を軽く混ぜてお皿に盛り付けたら、耐熱ガラスボウルで作る麻婆春雨の完成です!
裸電球:彩りがキレイでいいですね! ニラをあとから入れているからか、シャキシャキした食感が感じられて美味しいです。春雨の食感も硬すぎず柔らかすぎず絶妙でした。水分もいい感じに飛んでいて、豚ひき肉やニラ、調味料のうま味が凝縮されているのを感じます。
しらい:テキパキ作れば、加熱時間込みで10分以内にできるので、もう一品欲しい時にはおすすめのメニューですよ。
感動レベル! 耐熱ガラスボウルで炊き上げた中華おこわ
しらい:最後に、個人的に耐熱ガラスボウルで作る料理の中で一番好きなレシピを紹介しますね。
裸電球:何を紹介してくれるんですか? 気になります!!
しらい:中華おこわをご紹介できればと思います。
裸電球:中華おこわですか! 想像以上のメニューです。そして耐熱ガラスボウルってご飯も炊けるんですね。

▲写真提供:しらいのりこ
しらい:実は炊飯を伴う料理も耐熱ガラスボウルは得意なんです! 均等に加熱できるので、もち米がモチモチで美味しいですよ!
裸電球:料理初心者の僕がもち米に手を出す日が来るとは!!

材料
- もち米……300g(2合分)
- 甘栗……100g(10個前後)
- 豚バラ薄切り肉……150g
- 椎茸……50g
- 生姜……10g
- 水……280ml
- 醤油……大さじ1
- 酒……大さじ1
- オイスターソース……小さじ2
- 砂糖……小さじ1
- ごま油……小さじ1
作り方

しらい:まずはもち米から準備していきましょう。2〜3回研いだら20分ほど水(分量外)につけて吸水させておきましょう。吸水が終わったらザルに上げて水を切っておいてください。
裸電球:中華おこわはすごく好きなんですが、耐熱ガラスボウルで作れるものなんですね。どんな仕上がりになるのか楽しみです。

しらい:次に具材の準備をしていきます。豚肉は2〜3cm幅にカットして、醤油と砂糖を加えて揉み込んでおきます。
裸電球:今までで一番料理をしている感じになってる。楽しい!

しらい:椎茸は石突きを落として2〜3cm幅の角切りに。生姜も千切りにしておきます。
裸電球:料理初心者ですがまだついていけてます!

しらい:ここまで来ればあとは簡単ですよ! 耐熱ガラスボウルにもち米を入れて、残りの調味料とカットした具材を全て投入します。
裸電球:具沢山で美味しそう!

しらい:最後にふんわりラップして電子レンジ(600w)で10分加熱します。
裸電球:高温を保ちつつ、水分を逃さないようにラップをする感じですか?
しらい:ご名答です!

しらい:10分加熱したら一度取り出して、全体を軽く混ぜます。再度ラップをして電子レンジ(600w)で6分加熱します。

しらい:電子レンジから取り出して、ラップをしたまま10分ほど蒸らしたら、耐熱ガラスボウルで作る中華おこわの完成です!

裸電球:しらいさん、これは家で作ったとは思えない完成度です。完全にお店で出てくるレベルの味です……。
しらい:上手に作れたようで良かったです。

裸電球:もち米が本当にモチモチしていて、なんだか優しい気持ちになってきます。椎茸や豚肉のうま味がものすごく感じられるんですが、千切りの生姜がいいアクセントになっていてさっぱりした後味になりますね。いくらでも食べられる味わいです。
しらい:そうなんです! もち米が具材のうま味をたっぷり吸い込むので、中華おこわは具沢山にするのがポイントですよ!
裸電球:たくさんのキノコや筍なんかを入れても美味しそうですね。いろんな具材でも試してみたいなと思いました。
そして、炊飯器と変わらない時間でご飯が炊き上がるので、炊飯器を持っていない人にはすごく有用な使い方ですね。いや〜恐れ入りました。
まとめ

ということで今回は、耐熱ガラスボウルを使っていろいろな料理を作ってみました。
どれも驚くほど簡単でミスなく美味しくできました! 材料を耐熱ガラスボウルに入れて、電子レンジでチンしただけとは思えないほどのクオリティでした。
耐熱ガラスボウルさん、今まで棚の奥にずっと眠らせていてごめんなさい。これからは愛用していこうと思います。
ということで、皆さんの家にもあまり使っていない耐熱ガラスボウルありませんか。レシピを参考に、お持ちの材料や調味料を上手に使って耐熱ガラスボウルを有効活用してみてくださいね。
書いた人:裸電球

北海道を拠点に食べ歩き。CATVでグルメ番組のレポーターを担当したことをきっかけに、ハシゴ酒が趣味となる。入りづらいお店に突撃するのが大好き。現在はフリーで、映像制作とライターの仕事をしている。
- ブログ:「裸電球ぶら下げて」


