「Uber EATS」は本当にやってくるのか?花見の予行演習で試してみた

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アプリで注文するとできたてのメニューを配達するサービス「Uber EATS(ウーバーイーツ)」をご存じでしょうか? アメリカのハイヤー配車アプリ「Uber」が開始したフードデリバリーサービスです。大まかにいってしまうと、スマホの専用アプリから好きなお店や料理を簡単に選べて、デリバリー注文ができるというもの。

日本でも2014年からハイヤー配車アプリUberが配信され、2016年の9月からはこの「Uber EATS」も開始して、徐々に定着しつつあります。

  

行列に並ばず評判のお店の味が手元に

まずは「Uber EATS」とはどんなサービスなのか。オフィスにうかがって話を聞いてみました。

 

──日本に入ってきて間もない「UberEATS」ですが、まずは利用できる地域とどういったメニューがあるのかお聞かせいただけますか?

 

「Uber EATS」は、サンフランシスコやロンドン、パリなど、世界20カ国以上で提供されており(2017年2月時点)、毎週のように提供エリアが増えています。国内のサービスエリアとしては、東京の港区や渋谷区限定でサービスを開始しましたが、現在は新宿区、世田谷区、千代田区、目黒区の一部エリアにも拡張しています。提携しているレストランパートナー数はサービス開始当初から継続的に増加しておりまして、イタリアン「ダルマット」、焼き肉レストラン「トラジ」、ドーナツ専門店「クリスピー・クリーム・ドーナツ」など、人気店にご参画いただいております。

 

──レストランクオリティーの料理を、行列に並ばずに楽しむことが出来るのが特徴とのことですが、中でも好評な店舗やメニューを教えていただけますか?

 

根強い人気なのが、ハンバーガー系ですね。テイクアウトのイメージを想像しやすいのではないでしょうか。カスタマイズできるサラダの専門店も、ランチタイムに注文する方には人気です。

 

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▲「Uber EATS」の配達員はこのキャリーバッグにフード&ドリンクを入れて運ぶ。料理が冷めないようにする保温への気配りや、配達員のために軽量化を施してあるのだとか

 

──飲食店へ料理を取りに行って、注文したお客さんまで運ぶ配達員が、登録制というのも独特ですよね。どういった方が多いのでしょう。

 

配達員は、現在1,000人以上が「配達パートナー」として登録しています。自分の好きな時間に働き、好きな時間に休むことができるシステムです。どういう方が多いかというと、芸能の道を目指されている方や、アーティスト、学生、主婦の方、就職・転職の合間に働いている方も多いですね。

 

──「配達パートナー」になるにはどうすれば?

 

「配達パートナー」としてご登録される際は、まず講習会にご参加いただきます。そこで配達全般に関する講習や書類審査を含めた登録を行うのですが、その際に配達用のバッグなどもお渡しします。講習・登録が終われば、アプリを立ち上げるだけでお好きなタイミングで働くことができるようになります。

 

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▲見た目はデカいけれど、背負ってみると意外と軽い

 

飲食店側へのメリットも

──他のフードデリバリーサービスとの違いを教えてもらえますか?

 

最大の特徴は「Uber EATS」のアプリ上ですべてが完結する点でしょうか。アプリを立ち上げて数回タップするだけで注文ができて、料理が自分のいるところまで届き、キャッシュレス(クレジットカード決済)でやりとりができる。利用者目線に立った、なるべくシンプルな操作で、お好きな料理が素早く届くようなインターフェイスを設計しています。おかげで「自炊しなくなってしまった」というユーザーの方の声もあるくらいです(笑)。

また、メニューの豊富さも特徴として挙げられます。デザートや精進料理、コース料理中心のイタリアンレストランのパスタだけを注文できたりします。

 

──確かに、ヘビーユーザーの中にはそんな方もいるでしょうね。

 

レストラン側にもメリットがあります。これまで、レストランがデリバリー事業を始める際、今までは店舗側で出前用の人員や車両の確保が必要でした。「Uber EATS」を利用していただくことにより、そういった固定費に投資することがなくなり、これまでデリバリー事業に踏み出せなかったレストランも参入できるようになりました。

「Uber EATS」開始時点で150店舗以上のレストランパートナーにご登録いただきましたが、そのうち6割が今までデリバリー事業を実施していませんでした。また、ユーザーが今まで知らなかったレストランや料理をアプリですぐ選んで頼むことができるので、新規顧客を開拓する媒介として捉えていただいています。

 

──今後、「Uber EATS」で新しい機能などは出てきますか?

 

今まではなかったのですが、2016年から予約機能が実装されました。希望の日時を指定して注文することが可能になりました。

 

「Uber EATS」を試してみる

「Uber EATS」の革命的な機能のひとつは、スマートフォンのGPS機能を利用することで注文者の位置情報を特定し、ピンポイントで配達してくれること。

たとえば、自宅やオフィスだけでなく、公園のど真ん中で注文しても配達してくれます。テクノロジーの進化で、今までの出前には起こりえなかった発想が生まれました。これぞまさにIT革命!

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というわけで配達エリアに含まれている目黒川沿いに移動。

寒空の下、本当に「Uber EATS」がやってくるのかを『メシ通』編集者とチャレンジしてみました。

まずはユーザー登録で、名前やクレジットカード情報などをササッと入力! 

 

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アプリを起動すると、近場のお店がリストアップされるので、タイ料理の名店「恵比寿ガパオ食堂」を選択し、ガパオご飯(980円)と、トッピングメニューのグリーンカレー(100円)を注文。送料込みでこの価格は安い!

 

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次に現在地を登録することで、配達区域内に運んでくれます。これで注文完了。

ちなみに、友人などに「Uber EATS」のユーザーがいれば、お互い1,500円分の割引ができるクーポンコードの発行が可能になります。

 

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お店の料理が出来上がって配達が始まると、アプリ内のGoogle Mapから配達員の移動状況をリアルタイムで見ることができます。配達員のスマホから送られてくる位置情報が表示されて、ススーッと近づいている!

 

一方、『メシ通』編者者の方は、アルゼンチン名物のサンドイッチが楽しめる代々木上原「ミ・チョリパン」を選択。

サルサチョリパン(1,100円)、十勝のポテトフライ(300円)、インカコーラ(300円)をオーダーしました。

 

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さて、どれくらいで配達してくれるのか?

 

配達員がバイクでやってきた

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目黒川沿いで一服しながら待っていると、Google Mapの位置情報に合わせて、それらしきバイクがずんずん近づいてきました。

 

一般人と見分けが付かない……!

 

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注文ボタンを押してから、30分も待たずに到着。

配達員は例のデカいカバンから料理を取り出して渡す。こっちは受け取るだけ。実にあっさりしたコミュニケーションです。

 

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箱に入っていたのは、『メシ通』編集者が注文した「ミ・チョリパン」のパッケージでした。

せっかくなので配達員さんに話を聞いてみると、普段は学生さんとのこと。この仕事は昨日から始めたばかりで、初日は5件の注文を配達したそうです。

 

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どこかで待機するのでしょうか、用事を済ませたらさっそうと帰っていきました。寒い中、お疲れ様でした!

 

桜の名所でエア花見を……

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じゃじゃーん! 

パッケージを開けて料理を並べると気分はもうピクニック。

 

一足先早いエア花見を『メシ通』編集者と一緒に行いました。

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▲シーズンになると、おそらくこんな景色が拝めるはず

 

見た目も味も、店内そのまま。違うのは容器のみ。ただ冬場の野外なので、温かい料理もすぐに冷えてしまったのが残念……! 

 

しかし、冷えてもおいしい!

 

というわけで、0分咲の目黒川沿いより、お伝えしました。

 

取材協力:Uber EATS

 

※この記事は2017年2月の情報です。
※金額はすべて税込みです。

 

書いた人:高岡謙太郎

高岡謙太郎

オンラインや雑誌で音楽・カルチャー関連の記事を執筆。共著に『Designing Tumblr』『ダブステップ・ディスクガイド』『ベース・ミュージック ディスクガイド』など。

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