【博多】伝来当時の製法で再現した中世うどん。2玉でも3玉でも値段は一緒……なだけじゃない! 【春月庵】

こんちは〜、メシ通レポーターのマツータケシです。

冬はやっぱり寒いものですね。いやはや、そうなると、あったか〜い出汁が恋しくなりますなぁ〜。

お腹の底からじんわ〜りとカラダが温まるってのが、なんとも幸せ。

食欲もワイワイ湧いてくるってもんですばい。

なんて考えていたら、腹が減ってきました。

いやいや、実は昨日の夜はロクに食べずに飲んでばっかりだったし、おかげで胃が重たくて朝飯も抜いちゃう始末。

やばし、胃袋エンプティーランプが点滅しとるではないか!!!!

これは何かウマいもんでエネルギーチャージしなければ。

けれども、酒で胃が疲れちゃっているんで、やさしい味が食べたいなぁ〜。と、脳みその中でピカッと電球マークが光りました。思いついたのは、前々から気になっていたうどん屋さん。おっ! それそれ!! 今の気分にピッタリだ。

というわけで、博多へワ〜〜〜プっす!!!!

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で、降り立ちました、承天寺

以前もお話ししましたが、このお寺には、福岡がうどん発祥の地だという証である『うどん発祥の碑』が建っています。正確には『饂飩蕎麦発祥之地』と刻まれた碑があり、同寺を開いた聖一国師が大陸から製粉技術を持ち帰ったことにより、建てられたと言われているのです。

そんな由緒あるお寺の隣に店を構えるのが、博多中世うどん 春月庵』。

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なんでも、博多で最も古い麺工場(明治23年創業)が営むうどん屋なんだそうです。

うどん伝来の地の隣に、博多最古の麺屋が営むうどん屋とは、なんだかそそるなぁ。でも、中世うどんってなんだろう?

と、まぁ、まずは中に入ってみましょう!

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よしよし、清潔感があって、おいしいうどんが出てきそうな雰囲気♪

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ん、なになに?

ほらほら、ここにも承天寺のうどん発祥の碑のことが書いてるじゃぁ、ないですか。

あれ? まてよ。「水磨の図」のくだりまで書いてあるとは、なかなか具体的。

あっ、なるほど!聖一国師が伝えた製粉技術に関する文献を基に、当時の味を再現したから“中世”というわけか。

ふむふむ、「厳選した小麦を使い、小麦胚芽及び食物繊維(襖)を豊富に含んだ古来の素朴感を追求しながら誕生した新しい味のうどん」とな。

うんうん、ますます楽しみだ。

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てなわけで、注文と参りましょう!

お品書きには……肉、ごぼ天、丸天、きつね、わかめ、とろろこんぶetc……冷たいうどんは、めんたいぶっかけ、梅ぶっかけ、おろしぶっかけetc……。

ほうほう、うどんだけじゃなくて蕎麦もあるわけですね。

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しっかしなんなんだろ〜、この博多っ子気質。ついつい、ごぼ天を頼んじゃうんだよな〜、毎度毎度。

てなわけで、「ごぼ天、3玉で!」

あっ、そうそう。この店の最大の特徴は、14時までは、うどんも蕎麦も2玉でも、3玉でも値段が一緒ってことなんです(3玉まで)。ほんで、さらにオモロいのが、14時を過ぎたら、なんと、お替わり自由!

4玉目でも5玉目でも、お腹と相談してじゃんじゃん頼んじゃってください。「うどんも蕎麦も、たらふく食べて帰りんしゃい!」なんて、ここが、麺屋ならではの心意気ってことっすね。男性なら、3玉+かしわおにぎり、なんて人も多いとか。

ちなみに、いままでの最高記録は、

うどん15玉(麺だけでおよそ3.3kg)

蕎麦18玉(麺だけでおよそ3.24kg)、だそうです。

うっひゃー、おみそれしまくりサイズですわ〜。

 

そんなこんなで、ごぼ天うどんが登場っす。

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で、デカ〜!!!!!!!!!!

普段見かける器とサイズを比べてみると、その差は歴然。特注の器に、モリモリ盛りのうどんが入っています。

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「おしっ!」と気合いを入れて「いただきまっす!」。

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キリっとして、かつ滋味深い出汁が、カラダに染み渡りまスープです。

いわゆる全粒粉の麺も、確かに素朴なお味。どこか香ばしくて、味に丸みがあって……嗚呼ぁ〜、麺のほどよい柔らかさも僕ちん好み♪

博多の人はせっかちで、「噛むのが面倒だからうどんを飲むように食べたい」ってことで、やわやわうどんが定着したらしいのですが、聖一国師が伝えた時代のうどんには、きちんとコシがあったようですね。

もちもち具合が絶妙でございます。

で、メシ通の事情を知った店長さんのオススメするままに、「梅ぶっかけそば」もいただいてみることに。

(ちなみにこれで2玉分)。

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あざ〜っす!!!! ってことで、つゆをぶっかけて、ズズズズ〜とひとすすり。

おっ、こいつは爽やかでいいや。梅の風味と海苔の風味、そして青ネギの風味が、それぞれに蕎麦に味のリズムを付けてくれ、なかなか飽きがこないから「これなら、案外4玉5玉もイケちゃうかも」となりやすね。

蕎麦はコシがあって、ツルツルとした喉越しが特徴。夏に食べたい逸品でした。

 

あ〜、満腹満足♪

食べている間もお客さんがひっきりなしに入ってきました。14時過ぎを狙ってくる人も多いようです!

 

お店情報

中世博多うどん 春月庵 承天寺前店
住所:福岡福岡博多博多駅前1-7-1
電話番号:092-473-2911
営業時間:11:00〜16:00(土曜11:00〜15:30)
定休日:日祝日

www.hotpepper.jp

 

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書いた人:
マツータケシ

福岡在住。某出版社を経て、フリーのカメラマン&ライターとして活動中。好きな言葉は「一日三度のメシ」。福岡の安くてうまい穴場を発掘することにはまっている。

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