北海道から絶品な「じゃがいも」が6品種も届いたのでホクホク食べ比べしてみた


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じゃがいもにいろいろ品種があるってご存じでしたか

北海道の友人から採れたてのじゃがいもが届きました。

それも、まとめて6品種も。

その友人は、自家農園で多品種の野菜を自家消費用に育てているのです。

そして今回、食いしん坊仲間の私に、「北海道じゃがいも6品種の食べ比べしたい?」と連絡をくれました。

 

当然、YES! と即答。

 

個性豊かなレアじゃがいも

数日後、ずっしりとしたダンボールが届きました。

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中にはきれいに袋分けされたじゃがいも6品種と各種北海道野菜が。

 

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【じゃがいも6品種】

  • ピルカ
  • はるか
  • きたかむい
  • スノーマーチ
  • キタアカリ
  • ベニアカリ

なんと、レアな品種たち……。

かろうじて、キタアカリだけは知っていましたが、他は全部初耳です。

じゃがいもって、男爵とかメークインの他にこんなにあったのですね。

 

とりあえず、全部出して見てみましょう。

 

それぞれのじゃがいもを贈り主の野菜ソムリエ・畑瀬亜紀子さんの解説とともにご紹介します。

畑瀬さんは地元の仲間と共に「北海道野菜を盛りあげ隊」という活動をしています。

北海道野菜を盛りあげ隊】

定番から珍しい野菜まで、北海道産野菜の魅力や活用を伝える野菜のエキスパート・野菜ソムリエ4名組です。

冬場の道産野菜を使った野菜ちらし寿司や腸活をテーマにした料理教室、ハスカップ狩りイベント、すすきのHAPPYマルシェ、企業向け健康セミナーなど、イベントの開催を通じて食を通じた健康づくり、地域のふれあい、食文化の発信に取り組んでいます。

 

野菜ソムリエ・畑瀬亜紀子さん:https://akikohatase.tumblr.com/
北海道野菜を盛りあげ隊:https://www.facebook.com/hokkaidoyasaimoriage/

 

さて、まず最初のじゃがいもにご登場いただきましょう。

 

ピルカ

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ビーフシチューやおでんなど、煮込み料理向き。

火の通りはやや遅い。芽が浅いので皮がむきやすいので扱いも楽。品種研究機関オススメ品種だが、新しいので北海道でもまだ栽培農家が少ない。
ちなみにピルカはアイヌ語です。意味は「美しい」。

 

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やや白っぽくつるっとした感じです。

 

はるか

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ピンクの芽でむくと白い、雪うさぎみたいなじゃがいも。

芽が浅くむきやすい。味が良く、油調理後も色変しにくいので、皮つきのまま揚げ焼き調理で食べる「やみつきポテト」にもぴったりです。

 

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かわいらしい名前とルックスです。

 

きたかむい

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畑瀬さんのイチオシ。
とにかく味が良いのが特徴で、煮ても、焼いても、サラダにしてもOKのオールラウンダー。市場ではあまり見かけない希少品種です。

 

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味が良いのが特徴。見た目はごく普通なので、他のじゃがいもと混ぜたらわからなくなってしまいそうですが、要チェックの品種ですね。

 

スノーマーチ

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中身が真っ白なのが特徴。ジャガイモは収穫後に低温で長時間保管するとでんぷんが糖化しますが、正月を超えた頃のスノーマーチは、サツマイモと間違えるくらい甘くなります。我慢して、しばらく冷蔵庫の中で保管をお願いしますね。

 

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見た目は一見普通ですが、保管後に甘くなるというのが気になります。今回調理して残った分は冷蔵庫にしまってあります。

 

キタアカリ

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ピンク色の芽、中身は黄色。じゃがいもの中でも特にビタミンCがたっぷり含まれています。火の通りが早いので、ササッとお味噌汁を作りたいときに重宝します。火が通るとホロホロ煮崩れしやすいので、煮込みは不向きですが、ポテサラやコロッケは◎です。

 

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よく見ると芽がほんのりピンクです。

 

ベニアカリ

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ピンクの皮で中身は白色。メークイン系ほどではないですが、煮ても比較的形が残りやすい品種です。でんぷん質が多い品種なので、いも団子がオススメ。

 

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ピンクの皮が特徴的です。芽も濃いピンクでかわいい。

 

基本の「じゃがバター」で食べ比べてみた

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さてさて、じゃがいもをシンプルに味わうなら、やっぱりじゃがバター! ということで、まずは全品種1個ずつ、圧力鍋で蒸してみることにしましょう。
どれがどれだかわからなくなってしまうので、簡単に旗をつけてみました。

 

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バターを切っておきます。

そして、塩はピンク色の岩塩を使いました。

 

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見た目あまり変わりませんが、柔らかく蒸しあがっています。

(※並べる時に、きたかむいとキタアカリの位置を入れ違えてしまいました……)

 

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ピルカ。色も形もごくスタンダードなじゃがいもといったルックスです。加熱調理しても煮崩れしづらく、色の変化も少ないそうです。

 

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水分量は普通で、食感は男爵いものようなホクホクした感じです。

 

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はるか。中身が白っぽく、全体的にメークインのような印象です。

 

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食感はとてもしっとりねっとりしています。味は標準的な感じですが、保管して熟成させるととても甘みが強くなるそうです。

 

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きたかむい。中身は白っぽい。煮崩れはしにくいそうですが、蒸しあがった感触はほろほろと柔らかいです。

 

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ほのかな甘み、しっとりとした食感。畑瀬さんがイチオシというのも納得できる、「おいしいじゃがバターを食べた!」 という満足感があります。

 

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スノーマーチ。スノーと名前についているだけあって、中身は一番真っ白です。

 

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この品種も熟成とともに甘くなるタイプなので、 収穫直後のこの時点だと味は薄め。滑らかな食感です。切っても調理しても変色しづらくきれいな白色が保たれるので、マッシュポテトにして魚料理のつけ合わせにするのにぴったりかも。

 

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キタアカリ。中身は濃いめの黄色。煮崩れしやすく、蒸すとホクホクでとても柔らかい感触です。

 

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口の中でほろほろと崩れます。甘みが強く、とても華やかな味です。評判がいいのもうなずける個性の強さです。

 

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ベニアカリ。皮はピンクだけど中は真っ白。切った感触はとてももっちりとしています。

 

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食べても、もっちりしっとり。味の個性は強くないのですが、このもっちり感にはちょっと驚きます。コロッケやいも団子など、もっちり感を生かした料理にすると良いそうです。

 

なるべく淡々と紹介してみましたが、どれもめちゃめちゃおいしかったです

 

各々で食べると違いがわかりづらいじゃがいもですが、続けて食べ続けてみるとそれぞれの個性がわかります。

調理の際の特性、味、食感、それぞれの良さがあるので、料理によって使い分けられるようになると楽しいですね。

 

北海道民の定番「 塩辛じゃがバター」で食べ比べ

北海道の人にとっては、ごく当たり前の食べ方。でもよそから来た人にはよく驚かれるという塩辛じゃがバター。

北海道では、「どの家にでもある基本食材を合わせたらおいしかった! 」というごく日常的なメニューです。

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今回は、きたかむいとはるかを塩辛じゃがバターにしてみました。

 

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バターが染み込んだじゃがいもの上に、イカの塩辛をたっぷり。

レシピを書くまでもないシンプルさです。分量は、「好きなだけ」で。

 

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ホクホクのじゃがいもの食感と塩辛とバターのコンビネーション。これはもうたまりません。日本酒もビールもすすみまくりです。

 

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じゃがいもと塩辛が常備してあったら、毎日でも作ってしまいそうです。

 

食感の違いが楽しめる「やみつきポテト」

さて、お次は「北海道野菜を盛りあげ隊」考案レシピの「やみつきポテト」を作ってみましょう。

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(上段左から)はるか キタアカリ 

(下段左から)きたかむい ベニアカリ

畑瀬さん:やみつきポテトは、2種類くらい混ぜると お! ホクホク系! こっちはきめ細かいシットリ系! みたいに口に入れた時に楽しいよ!

とのことなので、4品種で作ってみました。

 

【材料】(3〜4人分)

  • じゃがいも 中4〜5個(500g)
  • サラダ油 大さじ1.5
  • 塩 少々

 

【作り方】

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①じゃがいもは皮つきのまま一口大に切る。(大きさをそろえるのがポイント)

 

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②フライパンまたは鉄板にやや多めのサラダ油を引き、初めは弱火で時々返しながら、火を通す。(15分程度)

 

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③ある程度火が通ったら、中火で表面をこんがりさせる。

 

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④塩を軽く振って完成。好みでトッピングをのせていただく。

 

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できました! ホカホカの「やみつきポテト」。

 

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よく見ると、4品種が混ざっているのがわかります。

 

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はるか。

 

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きたかむい。

 

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キタアカリ。

 

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ベニアカリ。

 

おいしすぎて、いつまでも食べ続けられてしまいます。

揚げ焼きにしたことによって、味が凝縮されて、それぞれの品種の個性が際立ってわかりやすくなりました。

 

ここで、さらにおいしさをプラスするトッピングも作ってみました。

 

じゃがいものトッピングに最高なやつ

これも「北海道野菜を盛りあげ隊」考案、「青のりバター」です。

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溶かしたバターに青のりを入れて混ぜて、冷やします。

 

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青のりが沈むので途中で全体を混ぜ合わせ、固まったら完成。

 

これで「やみつきポテト」をアレンジしてみましょう。

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「やみつきポテト」に「青のりバター」をまぶします。ほんのり和風テイストになって、日本酒にも合うようになりました。

ポテトチップスの「のり塩味」を思い出します。

 

さらに簡単なアレンジも。

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とろけるチーズにお好みのスパイスをかけて、電子レンジでチン。

 

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ポテトに絡みつくとろ〜りチーズ。

これに異を唱える人なんているはずありません。

 

煮崩れしにくい品種で、絶品のおでん&シチュー

じゃがいもの品種による特性の違いのなかで一番言及されることが多いのは「煮崩れのしやすさ、しづらさ」だと思います。

 

そこで、煮崩れしづらい品種を、煮崩れしづらさをいかした料理にしてみましょう。

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ピルカです。

今日はこのピルカをおでんに入れてみました。

 

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皮をむいて切っただけのピルカをおでんの鍋に入れて、トロ火で2時間。

 

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面取りなんてしていないので、切り口がピンとしてます。

煮崩れしてないですね。

 

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しかし、箸でちょっと切ればほろほろと崩れる柔らかさ。

 

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味染みも良好。おでんにはピルカ推奨です。

 

次は、ビーフシチューを作ってみました。

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ビーフシチューにはベニアカリを入れてみましょう。煮崩れしにくく、もっちりとした食感が特徴です。

 

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皮をむくと中は真っ白。ピンクの皮とのコントラストが鮮やかです。

 

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肉など他の具材はある程度煮込んだ状態になっているビーフシチューの鍋にベニアカリを投入。

ふたをして、40分ほど弱火で煮込みます。

 

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出来上がったビーフシチューの中のベニアカリはこのようにきれいな形を保ちつつ、しっかり火が通って柔らかくなっています。

 

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でんぷん質が多くしっとりしているので、割ってもぼろぼろ崩れません。シチューの味を濁らせることがないのが良いですね。カレーにも合いそうです。

 

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もっちりした食感を楽しみましょう。

 

じゃがいも6品種、どれも違うおいしさがあって、堪能しまくりました。

あなたが気になるのはどれでしょう?

レアな品種も通販などで入手できるので、機会があったらぜひ試してみてくださいね。

 

書いた人:工藤真衣子

工藤真衣子

カメラマン。美しい人が好きなのでグラビア、音楽が好きなのでライブ写真、映画やドラマが好きなのでスチール写真、美味しい食べ物が好きなのでグルメ写真。雑誌、WEBなど各メディアで活動中。趣味は美味しい料理を作って食べること。子供写真スタジオ「アトリーチェ」の経営もしております。

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