オリーブオイルが合わない食材なんて、あるのだろうか
オリーブオイル、みなさまはどのように使ってますか?
筆者はオリーブオイルが大好きなので、いろいろな料理に使っています。
加熱料理用に安めの大きいボトルのもの、生でいただく用にはテイスティングしてちょっとお高めの香りが良いおいしいものを用意。
おいしいオリーブオイルは、何にかけても、その食材の味を引き立て、おいしさを引き出してくれます。
さて、オリーブオイルは製造工程や成分、官能検査の違いによっていくつかの種類に分類されます。
そして、オリーブオイルの魅力を味わえるのは、なんといっても「エクストラバージンオリーブオイル」です。今回は、そのエクストラバージンオリーブオイルのなかでも特に品質の高い、国産、香川県産のオリーブオイルをたっぷりと堪能してきました。
※この記事中で使用しているものはすべてエクストラバージンオリーブオイルですが、記事中では一般名詞として、「オリーブオイル」と表記しています
「さぬきうまいもん祭り」で出合った、極上のオリーブオイル
「さぬきうまいもん祭り」は、香川県のとびきりおいしい食材を紹介するイベント。
ここでは「香川オリーブ5(ファイブ)」のご紹介もありました。
オリーブオイル、オリーブ牛、オリーブ夢豚・オリーブ豚、オリーブ地鶏、オリーブハマチ。それぞれのプレゼンターによる食材の紹介です。
オリーブオイル担当は、小豆島出身のオリーブオイルソムリエ・黒島慶子さん。
香川県、小豆島のオリーブ栽培について、オリーブオイルのおすすめの使い方などについて紹介していただきました。
黒島さん:香川県産のオリーブオイルはとても高品質です。ですので、生のまま使って、お野菜などの繊細な味わいをいかすのに向いています。
──サラダやパスタ以外のオリーブオイルのおすすめの使い方はありますか。
黒島さん:オリーブオイルは和食にも合うんです。例えば、切り干し大根、さぬきうどん、茶碗蒸し、炊き込みご飯などにかけていただいてもいいですね。またデザートにも合います。アイスクリーム、フルーツだとりんご、キウイフルーツ、いちごなどにかけてもおいしいですよ。
香川県のオリーブ生産量は、日本第1位です。
日本でのオリーブの経済栽培は明治41年に、イワシなどの油漬加工に必要なオリーブ油の国内自給を図るため、三重、鹿児島、香川の三県に、輸入したオリーブの苗木を植えたのが始まりです。外国生まれの木はなかなか根付かず、ほとんどが枯れてしまいましたが、地中海の気候に似た小豆島の木だけが残りました。以来、小豆島は「日本のオリーブ栽培発祥の地」として有名になりました。
黒島さん:オリーブの果実は、少しでも傷がつくとそこからすぐに劣化が進んでしまいます。そのため香川県のオリーブは傷をつけないよう、一粒一粒丁寧に手摘みで収穫しています。
また、収穫後すぐに搾る施設が整っているので新鮮なうちに良いタイミングで採油することができます。それによって高品質なオリーブオイルができるのです。
黒島さん:香川県のオリーブオイルは世界でも認められているのです。『FLOS OLEI』というイタリアで出版している世界オリーブオイルガイドブックがあるのですが、これには一定の高評価を得たオリーブオイルしか掲載されません。これに香川県から出品した8社はすべて掲載されています!
香川県のオリーブオイル! 期待が膨らみます。
こちらには香川県産のお酒もスタンバイしています。
まずはオリーブオイルを飲んでみます
さて、これから「香川オリーブ5(ファイブ)」を含む香川県産食材による豪華フルコースがサーブされるわけなのですが、テーブルの上には一本のオリーブオイルが置いてありました。
「卓上のオリーブオイルをご自由にお料理にかけてお召し上がりください」とのこと。
公式に「追いオリーブオイル」が推奨されていました!
その前に、まずオリーブオイルを飲んでみましょう。
フレッシュで高品質なオリーブオイルは、飲んでもおいしいのです。
まず、鼻を近づけただけで、フルーティーな香りが漂ってきます。
飲んでみたら……なんでしょう、このオリーブオイルは!
油、という感じがしません。
フルーティーというのでしょうか、さわやかな香りです。そして舌の上で転がすと、これはオリーブの実そのもの? といったコクのある味わい。
後味に少し、スパイシーというかわずかな苦味のある感じがあります。いつまでも口の中に入れておきたいようなおいしさです。
オリーブオイルは、健康や美容にも良い成分を豊富に含んでいるとか。
健康や美容に良いポリフェノールやビタミンE、βカロチンを豊富に含んでいます。また、悪玉(LDL)コレステロールを抑制する効果があると言われているオレイン酸も多く含んでいます。(引用:『香川県のオリーブ生産者に出会う本』(発行:香川県交流推進部 県産品振興課)より)
もちろん、これはすべて大切に飲み干しましたよ。
「追いオリーブオイル」で、香川県産のごちそうがさらにおいしく
前菜盛り合わせ。
さぬきの夢バゲット。
香川県産パン用小麦粉で作ったバゲットです。オリーブオイルをとろ〜り、たっぷりかけていただきます。これは毎朝いただきたい!
菜の花ムースと焼き生ハム。
香川県特産の菜の花の香りがすごいのです。 そこにオリーブオイルの香りとコクが加わるともうたまりません。
飯蛸葱ソース。
これはオリーブオイルが合わないわけはないでしょう。スペイン料理風になります。
お酒もいただいてみましょう。リセノワール、ワインっぽく見えますが香川県宇多津町産の古代米を使った新しいタイプのアルコール飲料です。
甘くフルーティー、日本酒が苦手な方もおいしくいただけそうです。
ヤーコン天ぷら。 たっぷりかけます。
サクッとした歯応えの根菜です。ヤーコン自体は淡白な味わいなので、オリーブオイルのフルーティーな香りが加わってさらにおいしくなります。
ミニトマトしょうゆ豆クリームチーズ。奥は、まんばと豆腐のケンチン蒸し。
トマトとオリーブオイルの相性はテッパンですね。そして、豆腐もコクが増す感じになって素晴らしいです。
実は和風食材にも合うオリーブオイル
次の魚料理のお皿はちょっと和テイスト。
とはいっても、醤油などいかにも和食な味つけはなく、上品な薄味の和洋折衷な味わいでした。
オリーブぶり低温スチーム、金時人参ピュレ、たべて菜塩茹、若竹煮。
オリーブぶりは、オリーブの葉の粉末を添加した餌を与えて育てられたぶりです。
ほどよく脂ののったふっくらした柔らかな身です。
ただでさえ柔らかな身がオリーブオイルに包まれるとさらにとろけるような食感になります。香りも合いますね。
これは家でもぜひ、まねしたいと思いました。
普通の塩焼きの魚でもオリーブオイルをかけると、ちょっとごちそう感が出るし、ワインにも合うようになると思います。
ワカメのオリーブオイルかけもワインのつまみに良いですね。
オリーブ牛、オリーブ夢豚、オリーブ地鶏にも「追いオリーブオイル」
肉料理です。
オリーブ牛蒸し焼き、赤ワインソース。
オリーブ夢豚ロースト、黒胡椒ソース。
オリーブ地鶏コンフィー。
そのままでもものすごくおいしそうなオリーブ牛にも追いオリーブオイル。
元々柔らかくとろけるようなお肉がオリーブオイルに包まれるとさらにジューシーになります。
もっと庶民的なお肉だと、おいしさアップがわかりやすいのではないでしょうか? 家で試してみたいです。
オリーブ夢豚もそのままでもしっとりとして素晴らしくおいしいのですが、オリーブオイルによってさらに華やぎが。
オリーブ地鶏もフルーティな香りに包まれて、豊穣な味わいに。
普段、筆者が食べているような庶民的な肉にもぜひかけてみたい!
特に脂肪分の少ない鶏むね肉はダイエット用に愛用している人も多いと思うのですが、そこにちょっとオリーブオイルをかけたらごちそう度が格段にアップするはずです。
さぬきうどんにもオリーブオイルをかける
さて、ステージ横ではさぬきうどんの手打ち実演が始まっていました。
うどんに合う酒、をいただきながら待つことにしましょう。
うどん打ち職人のオリーブ牛肉うどん。
オリーブソムリエの黒島さんの指南通り、さぬきうどんにもオリーブオイルをかけましょう。
出汁にもオリーブオイルは合う!
魚介系の甘めの出汁とオリーブオイルの香りがとても良い感じで溶け込んでいます。
これは家でも試しやすいですね。味噌汁に入れても合うそうですよ。
オリーブオイルはお米にも合います
ご飯にオリーブオイルをかけるという発想は日本ではあまりないと思いますが、パエリヤやリゾットにはオリーブオイルを使いますし、合わないわけはないですね。
おいでまいを使用した小豆島 島鱧(ハモ)のオリーブ押し寿司。
シャリにもオリーブの実が入っています。そこに追いオリーブオイル。
寿司がワインに合う味わいに。あまりにも自然です。
普通の塩むすびにオリーブオイルも試してみたいです。
デザートにもオリーブオイル
さて、デザートです。
なんて豪華な。このまま食べてしまいたい衝動にかられます。
さぬきひめタルト。
ここにももちろん追いオリーブオイルを。
香緑ロールケーキ。
もちろん(以下略)……。
小原紅早生ジュレ。
金時人参シャーベット。
このシャーベットにオリーブオイルをかけるのがベストマッチだったので、さらに「追い追いオリーブオイル」します。
シャーベット味のオリーブオイル。いや、これがおいしすぎてたまりません。
香川県産のオリーブオイルとオリーブ関連食材をたっぷり堪能させていただいた一夜でした。
この日、これだけ大量のオリーブオイルを摂取したのですが、胃もたれは全くありませんでした。
それどころか、お腹はすっきり、お肌の調子も良く、翌日は大変気持ちの良い朝を迎えられたのです。
豆腐、納豆、アイスクリームにも追いオリーブオイル
そして翌日、オリーブオイルの可能性を追求するべく、今度は自宅でごく日常的な食材にオリーブオイルをかけていただいてみることにしました。
ごく普通の豆腐です。オリーブオイルをかけて塩をパラパラ。
ああ、これは良いつまみ。コクが出てねっとりとした高級感のある舌触りになります。ワインに合いますね。おいしいオリーブオイルをかけるとなんでもワインのつまみになります。
納豆にもかけてみました。
これが、意外に全く違和感がありません。納豆がさらに滑らかに、さわやかな風味になります。ご飯にかけても、つまみにしてもどちらでも良さそうです。
ふと出来心で、豆腐と合わせてみました。
これはいい!
豆腐と納豆が混然一体となって豆の味が強く感じられるクリーミーかつさわやかな味わい。
全酒飲みにおすすめしたい、絶品かつヘルシーなつまみです。
デザートは、オリーブオイルソムリエ・黒島さんもおすすめのアイスクリームです。
某有名メーカーのバニラアイスを用意しました。
オリーブオイルはたっぷりかけましょう。
はあ……これは……
ものすごくコクのある濃厚なオリーブアイス!
高級感のあるおいしさです。オリーブの実をそのまま練り込んであるような。バニラアイスだとオリーブの味が前面に出ますが、ナッツ系やフルーツ系でもおいしそうです。
これからもいろいろなものにかけてみたいですね。
オリーブオイルには、まだまだ無限の可能性があると思うのです。他にもオリーブオイルが合う食材があったら、ぜひ教えてください。
そして、おいしいオリーブオイルをお探しの方は、ぜひ一度香川県産のオリーブオイルを手に取ってみてください。間違いないです。
※記事初出時、表記に不正確な箇所があったため修正いたしました(2019/2/9)