本気のラム肉好きなら一度は食べておきたい「世界の羊肉料理」を体験してきた

世界中の羊肉料理が食べられる「羊フェスタ」に行ってきました。最近日本でもますます人気が高まりつつある羊肉料理ですが、世界にはどんなものがあるのでしょうか。

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世界中の羊が一堂に会す、羊フェスタに行ってきた

「羊肉センサー」が常に稼働中の筆者。

最近、やたらとセンサーが反応しているんですよ。

あちらに新しいジンギスカン屋が、あちらに老舗のモンゴル料理屋が、おお、あちらには羊専門の高級鉄板焼き屋までもが……。

 

羊肉、なにやら盛り上がっているじゃないですか。

 

さて、どうしてこんなに盛り上がっているんでしょう?

いろいろな理由はあると思うのですが、そのひとつに羊肉の魅力を日々発信している団体・羊齧(ひつじかじり)協会の力があるのではないでしょうか。

羊齧協会は、「1,200名の会員からなる消費者が主体となって、 羊肉を美味しく、楽しく、どこでも食べられる世の中を実現するための理想実現機関です」(羊齧協会公式サイトより)

hitujikajiri.com

 

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その羊齧協会が中心になって開催された「羊フェスタ2019(2019年11月2日、3日に開催)」に行ってきました。今回は世界のさまざまな国の羊肉が食べられるとか!

 

これはもちろん駆けつけて食べ尽くしてくるしかないでしょう。

 

羊肉専用のスパイスも

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会場は東京・中野駅から徒歩5分ほどの中野セントラルパーク(なかのアンテナストリート)。

出店のあるエリアの横には芝生の広場があります。レジャーシートを持っていくと羊肉でピクニックが楽しめますね。

 

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受付でアンケートに答えると、羊専用スパイス・羊名人(ようメ~じん)のサンプルがいただけます。

 

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この羊名人は、羊齧協会がメーカーと共同で開発した「家庭で羊肉をおいしく食べるためのスパイス」です。以前は羊フェスタ限定で販売されていたのですが、2019年9月から市販化されて一部の小売店でも購入できるようになりました。

 

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ラムチョップを見かけたので、とりあえず持ってみました。

 

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おや、こちらの紳士もラムチョップを持っていますね。

 

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羊愛に溢れるこの方は、菊池一弘さん(羊齧協会・中央委員会主席)です。

早速、今回の羊フェスタについて伺ってみましょう。

 

──羊フェスタは今回で6回目になるそうですね。なにか前回までとは違う特色はあるのでしょうか?

 

f:id:jurilin:20191224225341j:plain菊池さん:2018年のときと違うのは、ブースが国別になっているものが多いということです。なぜならば、羊肉の輸入国がどんどん増えているんです。
今年はブースが出ている国は4カ国です。ラムバサダーというオーストラリアのラム肉のPR大使のブース、アイスランドラム協会というアイスランドのラム肉をPRする団体、あとウェールズ政府さん、この3つが政府系団体で自分たちの良い肉を持ってきてPRしてます。その他、ニュージーランド大使館と仲良しのウルトラチョップさんというお店がニュージーランドのラム肉を持ってきています。

 

──料理の仕方も国によっていろいろ違いますよね。

 

f:id:jurilin:20191224225341j:plain菊池さん:そうですね。例えば中国西北地方の、伝統的な大根と羊肉の煮込み、あと「巨人のシチューハウス」という、本当に大きいアイルランド人が作っているアイリッシュシチューもありますね。カレー系、スープカレー系も多いです。
オーストラリア、アイスランド、ニュージーランドはラムチョップを一番推しで出してます。

 

──日本の自治体でも羊を盛り上げようという動きがあるとか。

 

f:id:jurilin:20191224225341j:plain菊池さん:ローメンという長野県伊那市のB級グルメを流行らせようとしている伊那市の人たちが来ています。あと愛知県一宮市は、もともと羊毛産業がさかんだったので、今は羊毛と羊肉で盛り上げようとしていまして、レトルトカレーを売りに来ています。今年は海外の政府系団体にからんだ出店が多いのも面白いですね。

 

──昨日は(訪問日は2日目)、すごく盛り上がって売り切れが多かったそうですね。

 

f:id:jurilin:20191224225341j:plain菊池さん:おかげさまで85%の店舗が売り切りまして。Facebookで随時売り切れ情報を流していました。

 

人気のメニューは早く売り切れてしまうそうなので、開場したら早目のGETを目指します。それではさっそく、羊の宴に突入してみましょう。

 

まずはオーストラリアのラムチョップから

さて、事前情報では前日に一番早く売り切れたブースはここだとか。

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先ほどの菊池さんのお話にも出た、オーストラリアのラム肉・オージーラムのPR大使「ラムバサダー」のブースです。

 

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朝一番から行列ができていました。

 

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ラムチョップには4種類のスペシャルソースから1種類を選んでつけてもらえます。

 

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立派なラムチョップが次々に焼かれています。

 

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▲ラムチョップ(1本800円)

 

ラムチョップ2本に、撮影用に特別に4種類のソースを添えていただきました。

 

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まずはブラックチャナソースをつけていただきます。

 

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しっとり柔らかくジューシーです。脂も多め。でもその脂がおいしいんです。

若く新鮮なラム肉は独特の風味こそあれ、イヤな臭いはまったくありません。

 

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火が入り過ぎておらず、焼き加減も上々です。

羊は臭い、というのはもうひと昔前の言葉ですね。むしろ、この風味は一度好きになると抜け出せないという方も多いのではないでしょうか?

 

f:id:jurilin:20191224225928j:plainレシピブックもいただきました。自宅でもラム肉をおいしく料理したいものです。

 

ニュージーランドのラムチョップも絶品

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こちらにもラムチョップがありました。

ニュージーランドのラムを取り扱っている「ウルトラチョップ」です。

 

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▲ラムチョップ(1本600円)

 

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ニュージーランド産のラム肉を使用。生後4~6カ月の完全放牧飼育のストレスフリーの仔羊なので、クセもなく柔らかだそうです。

 

ウェールズのプレミアムラムは繊細な味わい

あちらこちらから羊肉が焼かれる香ばしい香りが漂ってきます。

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「美味しいウェールズ プレミアラム@メリメロ」。こちらでは2019年に輸入が解禁されたウェールズのプレミアムラムを取り扱っています。

 

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ウェールズの国旗の色(赤、緑、白)を表現している串焼きです。

 

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▲ウェールズラムの三色国旗串焼き(2本800円)

 

シンプルな塩味。こんがり焼かれた野菜と共にいただくラム肉は柔らかく繊細な味わいです。

 

ベビーラムやラムハツも!

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新宿三丁目のラム焼肉専門店「lamb ne(ラムネ)」。

 

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こちらでは、珍しいベビーラム(生後3カ月以内の乳飲み羊)やラムハツの串焼きがいただけます。

 

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味付けはセルフで。

 

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▲ベビーラム串(1本1,000円)

 

さすが赤ちゃん羊肉(泣)、普通のラム肉よりもクセのある香りがありません。柔らかくジューシー。

これが羊と言われなければわからないほど、あの独特のクセはないのですが、旨味は充分あります。

 

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肉を食べる時にはやはりビールでしょう。

「北斎デリ&ヴィルゴビール」にはクラフトビール飲み比べセットがありました。

 

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▲飲み比べセット(1,000円)

 

墨田区で醸造されているエールタイプのクラフトビールです。軽い飲み口でお肉の供にぴったりです。

ちなみに手前のグリーンのビールはライチ果汁を使用したフルーツビール。ほんのり甘酸っぱく、ライチの香りがとてもさわやかでした。

 

ラム肉は煮込んでもウマい! アイリッシュラムシチュー

ラム肉は焼くだけではないのです。煮込みもこれまた旨いのです。

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菊池さんに伺った通り、本当に大きなアイルランドの方がいました。

戸越銀座の「巨人のシチューハウス」と武蔵小山のアイリッシュパブ「Seamus O'Hara」のコラボ店舗です。

 

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▲アイリッシュラムシチュー(1,000円)

 

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柔らかく煮込まれたラム肉はスプーンでも崩れます。

塩味のシチューにはラム肉と野菜の旨味がしっかり溶け出していて、優しい味わいです。底にはパンが入っていました。寒い日にはお腹の中から温まりそうです。

 

中国やイタリアのラム肉料理も

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こちらは中国料理店、「中国名菜 福満苑 鼓楼」。

 

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▲羊肉と大根の煮込み(700円)

 

こちらもシンプルな味付けで、羊肉と野菜の出汁を生かしたスープです。中国の西北地方風。羊肉からはおいしい出汁がとれるのでスープにするのもとても良いです。

 

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不動前のイタリア料理店「羊飼いの食卓 ティスカリ」。

 

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▲羊飼いのラムカレー(800円)

 

ご飯ではなくクスクスが添えてありました。

羊飼いの島「サルディーニャ島」で有名な地中海風。コクのある優しい味わいのラムカレーです。ラム肉はよく煮込まれていてトロ〜リとろけます。 

 

世界7カ国の羊肉を食べ比べ!

今回、おそらく日本初となる試みが行われていました。

その名も「世界の羊試齧!」。

なんと世界7カ国の羊肉を食べ比べることができるのです。

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事前の告知では6カ国だったのですが、直前にアルゼンチンが加わり全7カ国になったそうです。

 

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各国の羊肉が着々と焼かれていました。

 

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参加国は、アイスランド、ウェールズ、フランス、オーストラリア、アメリカ、ニュージーランド、アルゼンチン。

 

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このように、色別のカップに入ってきます。

 

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日本ではあまり馴染みのないアメリカンラム、とてもおいしいとの評判をきいていました。こういう機会でもないとなかなか食べられません。

 

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さて、順番にいただいてみましょう。すべて同じ焼き方で同じ味付け(塩、胡椒)です。

 

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一つひとつじっくり食べ比べてみました。

そこまで大きな違いはないのですが、こうして食べ比べると、わずかな違いを感じることができます。

現在の日本のスーパーなどでは、オーストラリア産とニュージーランド産以外はほとんど手に入りません。

とても貴重な体験ができました。

 

長野県伊那市には羊肉が入った焼きそばがあった

実は日本でも、昔から羊肉に親しんでいた地域があります。

そのひとつが長野県伊那市です。

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こちらは市民有志による「伊那ローメンズクラブ関東支部」のみなさま。長野県伊那市のご当地麺ローメン「伊那ローメン」で地元を盛り上げるべく活動しているそうです。

 

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▲信州伊那ローメン(600円)

 

信州伊那で古くから愛されているローメンは、表面が堅めで薄茶色に深蒸しされた麺とマトン、キャベツ、にんにく、ごま油が渾然一体となった香りと奥深い味が特徴のソウルフード。

ラーメンのようにスープを加えるタイプもありますが、今回は焼きそばタイプです。

 

さて、この1日で、今まで知らなかった羊の魅力をたくさん発見できました!

羊好きによる、羊好きのための祭・羊フェスタ、これからも注目していきたいです。

ぜひ今年も開催して欲しいですね。

読者のみなさまの、おすすめ羊肉情報もお待ちしております!

 

羊齧協会のホームページ

hitujikajiri.com

書いた人:工藤真衣子

工藤真衣子

カメラマン。美しい人が好きなのでグラビア、音楽が好きなのでライブ写真、映画やドラマが好きなのでスチール写真、美味しい食べ物が好きなのでグルメ写真。雑誌、WEBなど各メディアで活動中。趣味は美味しい料理を作って食べること。子供写真スタジオ「アトリーチェ」の経営もしております。

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