自宅で、素人が、ローストビーフ! サンドイッチも押し寿司も激ウマ

f:id:uralatokyo:20160913191711j:plain

相変わらず好評が続いていますね、ローストビーフ丼。

ローストビーフは高価ですから、特盛をお得な価格で提供しているお店は話題になったりしていますね。自宅で食べようとスーパーで買おうにも、ほんのちょっとしか入ってないのに強気な価格設定です。

 

そんなわけで、今回は生まれて初めてローストビーフを作ってみることにします。

初挑戦です、緊張です。

 

買い物に行ったら、ラッキー! オージービーフのほか、賞味期限の近い国産黒毛和牛が割引になっていました! そこで両方の肉を買い求め、仕上がりの違いを見てみることにしました。

 

まずはオージービーフから調理してみましょう。

「オーストラリア産牛肉ももブロック『ローストビーフ用』」という名称で売られていました。最初からローストビーフにしやすいサイズや形状にしてあるのでしょうね。100g 237円と、買いやすい価格です。

f:id:uralatokyo:20160913191729j:plain

しかもローストビーフ用のシーズニングスパイスというものがおまけで付いていました。要は塩コショウとプラルアルファのスパイスですね。使わせてもらいましょう、まんべんなくすり込みます。

 

こんな感じ。

f:id:uralatokyo:20160913191746j:plain

 このスパイスの袋には、ローストビーフの作り方も書いてありました。

 

「肉の全面にしっかり焼き色をつけ、フタをして弱火で約10分蒸し焼きにします」

 

……え? しっかり焼き色をつけてから10分? 弱火といっても10分って、それなりに火が通りますよ? しかもフタまでしてしまうわけでしょ?

 

不安でいっぱいです。ローストビーフの魅力は、あの火がぎりぎり通っているか通っていないかというレアレア感だというのに、これじゃウェルダンになっちゃいませんか?

 

ローストビーフ作り初挑戦とあって、自分の判断に自信が持てません。ここはシーズニングの袋に記載されていた通り、表面にしっかり焼き色つけて……、

f:id:uralatokyo:20160913191802j:plain

 

ふたをして弱火で10分。

f:id:uralatokyo:20160913191844j:plain

大変長く感じられる10分が過ぎました。トングでつまんだ肉がなんとなく固い気がします。しっかり火が通った感が伝わってきます。もうこれで完成でいいじゃない。

 

しかしなんと、袋にはまだ続きが書かれているではありませんか。

「アルミホイルで包み、常温で約20分置きます」

f:id:uralatokyo:20160913191907j:plain

 

余熱がダメ出しの加熱にならないことを祈りつつ、言うことを聞きました。

f:id:uralatokyo:20160913191925j:plain

 

待っている間にソースを作ります。家にある調味料だけで作れる上に簡単です。

しょうゆ1.5:みりん1:料理酒または白ワイン1の比率で、肉を焼いて洗っていない状態のフライパンに投入。沸騰させればできあがりです。見た目は悪いですが味はおいしいですよ。

f:id:uralatokyo:20160913191940j:plain

 

そして20分が経ちました。でき上がりはどうなったでしょう。

 

あーーー! やっぱり信じるんじゃなかった!

f:id:uralatokyo:20160913191957j:plain

 ウェルダンじゃないですかこれじゃ! まんべんなく火が通っているじゃないですか(泣)!

 

おまけについていたスパイスの袋の裏面に書かれているレシピを信じたのがいけなかったのでしょうか。それともほかに原因が? 初心者、わかりません。

 

気を取り直して、自家製ソースをかけて試食です。

f:id:uralatokyo:20160913192030j:plain

 ……おっ! 味はローストビーフです。スーパーの惣菜で売っているローストビーフの味です。

もっとレアならもっとよかったけれど、味そのものはなかなかですよ。それに良く言えば「食べごたえがある」、悪く言えば「固い」肉も、薄切りにするなどの工夫でおいしく食べられることもわかりました。

 

さあ、反省と教訓を胸に、第二弾として国産黒毛和牛でも作ってみましょう。

国産黒毛和牛ももブロック、100g 650円! それが賞味期限間近ということで3割引で買えました。ラッキー!

 

ああ、このサシ。これぞ国産黒毛和牛。

f:id:uralatokyo:20160913192046j:plain

シーズニングはついていませんでした。全面に塩コショウをたっぷりつけます。

 

なお、「串やフォークで肉にまんべんなく穴を開け、塩コショウを内部にまで浸透させやすくする」というプロのアドバイスも見かけましたが、やめておいたほうがいいと思いました。なぜならオージービーフで実践してみたところ、焼き始めるとその穴から肉汁が流れ出しうま味が逃げるという悲劇が生じたからです。

 

ここでしっかり塩コショウをつけると、ソースなしでも十分おいしいです。

f:id:uralatokyo:20160913192108j:plain

 

さあ焼きましょう。同じ失敗を繰り返すわけにはいきません。

全面にしっかりと焼き色をつけたら……、

f:id:uralatokyo:20160913192127j:plain

 

もう取り出します! 焼き色つけて終了! 勇気を出して火を止めます!

f:id:uralatokyo:20160913192149j:plain

 

アルミホイルに包み、オージービーフと同様に20分置いたところ……、

f:id:uralatokyo:20160913192213j:plain

  

できました! これこれ! これを待っていたのですよ!

f:id:uralatokyo:20160913191711j:plain

 

スーパーの肉売り場には1回使い切りサイズのローストビーフ専用ソースが売られているので、それを使うのもおすすめです。使い切りだから無駄にならないし、少量なので安いです。こちらは市販ソースをかけたもの。ビジュアルも素敵!

f:id:uralatokyo:20160913192248j:plain

 

そして肝心の味のほうは……。

肉、やわらかっ! うまっ!

 

最初に作ったローストビーフだけしか食べなければ、それはそれで満足したと思います。けれどこっちも食べてしまうと、やはりサシの乗っている肉のうま味を知っている日本人には、このほどよい霜降り感と柔らかな口当たりはたまらないのではないでしょうか。

 

それではローストビーフ丼以外のアレンジを考えてみましょう。

バケットに挟むサンドイッチは王道ですが、あえて食パンを使ったアレンジも手軽にできていいですね。

マヨネーズとマスタードをパンに塗り、あらかじめソースにからめたローストビーフを挟みます。写真ではわかりにくいですが、パンは軽くトーストしてみました。焼いても焼かなくても、どっちもいけると思います。

ちなみにこれ、四角く作った甘い玉子焼きを一緒に挟んでもおいしいですよ。だまされたと思って、「玉子焼きは甘く」でやってみてください。

f:id:uralatokyo:20160913192304j:plain

 

こちらは食パンの上にピザソースを塗り、細切りにしたローストビーフ(細切りにしたほうが食べやすいです)ととろけるチーズを置いて、ゴージャスなピザトーストに! ちょっとタバスコ振ると激うまです。トマトを追加してもうまいです。

f:id:uralatokyo:20160913192322j:plain

 

米のアレンジはこれ! かつて書いた記事がこんなところでいかせるとは……!

プラ容器を使って押し寿司にしてみましたよ。

 

 

ちょっとわさびも塗り込んで挟みました。酢飯とローストビーフが違和感なく共存しています。

 

うおお、これはおいしい!

f:id:uralatokyo:20160913192338j:plain

生まれて初めてローストビーフを作った感想は、「思っていた以上に簡単に作れる」です。「いやいやオージービーフに火が通りすぎたでしょ」という突っ込みはごもっともですが、

全面にしっかり焼き色を付けたら焼く作業は終了。その後はアルミホイルに包んで20分」という法則を見つけることができた今、もう恐れるものはありません。

次はオージービーフだってもっとやわらかくおいしく仕上げられると思います。

 

ソースについては、市販のものを買ったほうがむしろ無駄がないかもと思いました。自分で作るとどれくらいの分量を作ればいいのかわかりにくいので、使う調味料に無駄が出てしまうかもしれません。また、油ギトギトのフライパンに調味料を入れて沸騰させるので、フライパンのみならずコンロ周辺が大変汚れます。目の前で豪快に汚れていくコンロを見るのは、はがゆかったり悲しかったりするものですよね……。

 

こんなに簡単に作れるのにゴージャス感が漂うローストビーフ。これを作りこなすことができたら、自宅に人を招くときも安心。人の家に呼ばれた際に持参すれば、大いに驚かれ喜ばれるはずです。

最初は自分でも本当に作れるか不安でしたが、終わってみれば拍子抜けするほど簡単! コンロとフライパンさえあれば誰でも作れます。ご安心を!

 

書いた人:椿あきら

椿あきら

猫の下僕をしているライターです。猫と暮らすようになってから、断然家飲み派になりました。著書に『オリンピックと自衛隊 1964-2020』(並木書房)。

過去記事も読む

トップに戻る