駅弁というのは、どうしてああも心がときめくのでしょう。
新幹線や特急電車に乗る前に駅弁を買うときの、あの高揚感。どれもおいしそうでなかなかひとつに決められない楽しいもどかしさ。いざ車内でふたを開けたときのワクワク。ついでに昼間からぷしゅっと缶ビールを開ける至福。出張ですら一時的に気分を盛り上げてくれる駅弁、それが旅行となればときめきも倍増するというものです。
個人的には、日本の駅弁はビジュアル、種類、味など総合的に判断して断トツの世界一だと思っています。総合力の高さときたらもう、他の追随を許さない断トツ1位だと思います。アニメだけじゃないよ日本!
しかしながら、駅弁を買って旅に出る予定は特にない人も多いことでしょう。
ならば自分で作ってしまおうではありませんか、駅弁的なものを。そして鉄旅気分を少しでも味わおうではありませんか。
駅弁用の箱は100円ショップに売っている
駅弁には「かに一面」とか「牛肉しぐれ煮一面」とか、これぞという一押し食材を全面に敷き詰めたものが少なくありません。あれでいきましょう。せっかくだから肉バージョンと海鮮バージョン、2種類作ってみましょう。
自宅のプラ容器や弁当箱では駅弁気分が半減してしまいますから、まずは駅弁用の箱を入手。100円ショップに売っています。
左は1段重箱、右はお赤飯用の容器です。
容器は紙製のもののほうがいろいろそろっていましたが、それだとちょっとおしゃれすぎて、駅弁ではなく「子どもと公園で食べるランチボックス」。ここは主題をずらさずいきましょう。見た目大事。
ではまず肉系からいきましょうか。
まずご飯を敷き詰めます。ご飯に焦げ目があるのは鍋で炊いたからです、見た目がいまひとつですみません。
まず1/3に鶏そぼろを。瓶詰のものが売っているので、それを使うと便利です。
あらかじめ箸などで米を3等分にしておくと、具がきれいにそろいます。駅弁気分を味わうためにも、他の具との境はできるだけきれいにしましょう。
続いて卵。
本当は錦糸卵にしたかったんですが、力不足で炒り卵。
そして最後は、肉駅弁(と呼びたい)でも評判のすき焼きを!
これは牛こま肉を買ってすき焼きのたれで味付けるだけです。こういう甘辛味、ご飯が進むんですよね!
端に漬け物を置いて、はいできあがり。駅弁らしくなりましたよ!
しかもちゃんと包装までしちゃったら、ますます駅弁ビジュアル。ややクリスマスっぽい?
そして海鮮バージョン。いろいろリサーチしたら、敷き詰め系で圧倒的に多いのはカニでした。駅弁のカニ率、すごいです。
で、カニの身が大きいほどそのままの味、フレーク状の場合は甘酢で味付けしているものが多いということもわかりました。学んだ!
さらに、敷き詰め系に使われる魚はサーモンが多いこともわかりました。今回は色味がみんな赤っぽくなってしまうので、カニ、鮭フレーク、しめ鯖の3種でいってみました。ご飯はちゃんと酢飯にしました。
できあがったのがこれ。
ちょっとちょっと、おいしそうじゃないですかこれ!
かなり気分も盛り上がって来たので、試食担当の友人を連れて電車の見える河原に行くことに。そこで駅弁もどきを食べつつ、エア鉄旅を楽しもうという趣向です。
だがしかし、雨。河川敷はとても座れる状態にありません。理想と現実は違うと、ロマンスカーEXE(30000形)とVSE(50000形)がすれ違う様子を静かに見つめる試食係。
▲鉄道好きの方なら、ここがどこだかすぐわかりますよね……
けれどここまで来たのだから、やっぱり鉄旅気分は味わいたいということで、大胆にも立ち食いを始める試食係。食べ始めたものの旅情を盛り上げるロマンスカーはその後一向に通らず、小田急線直通の千代田線を眺めながら……でもおいしい!
今回はあいにくの天気でしたが、なんちゃって駅弁を持って電車の見えるところでビール片手にくつろぐという休日、いかがですか。旅行には行けなくても、これはこれで悪くないと思います。なんといってもこの肉駅弁、海鮮駅弁がおいしいです!
※この記事は2017年8月の情報です。