余った野菜を活用する方法
自炊をしていると、野菜が余ってしまうことはどうしてもありますよね。
そういう時、皆さんはどうしていますか?
その日の晩御飯のメニューに無理くりねじ込んで登場させてみたり、とにかく消費し切るための料理をわざわざ作ってみたり……? いやいや、そんなことをする必要はありません。
ずばり、干しちゃえばいいんです。
干し野菜にすれば、保存ができるわ、火の通りも早いので料理の時短にもなるわ、でいいことずくめ。さらに言えば、味がぎゅぎゅっと濃縮されて野菜のうま味も格段にアップしちゃうんです。
空気が乾燥している冬は、干し野菜を作るのに最適な季節。
さあ、皆さんもこれを機にレッツ・干し野菜!
干し野菜の作り方
干し野菜にする野菜は、基本的に何でもOK。
白菜やキャベツなど足が早い葉もの以外であれば、たいていのものは簡単に作れます。
その工程は至ってシンプル。「洗って切って干すだけ」です。
まずは野菜をよく洗います。皮つきで使う場合はたわしやスポンジを使って丁寧に水洗いし、キッチンペーパーなどで水気をふき取ってください。
続いて、野菜をカットします。野菜の切り方は、どの料理に使うかを考えて決めるのがベストですが、特に決まってない場合は、とりあえず大きめに切っておくと何にでも使えて便利です。
今回は、大根、れんこん、玉ねぎは1.5cmほどの厚みの輪切りにカット。ナスとキュウリは厚さ5mmほどの斜め切りに。にんじんとゴボウは細く千切りにしました。椎茸は石づきを取ってそのまま使います。
注意すべきポイントは、どの野菜も「干す前にもう一度表面の水気を取っておくこと」です。早く乾燥させるためと、カビさせないためにもこの作業を忘れずに!
ここまでくれば、もうあとはベランダや庭先に干しておけばOK。
必ず風通しの良いところで干しましょう。常に見張っていられるならばザルで干してもいいのですが、干しカゴを使えば、目を離している時の虫や鳥からの被害を防ぐことができます。
干しカゴは大手通販サイトで検索すれば手に入れられます。小さいサイズであれば100円ショップにも売っているようなので探してみてください。
干しておく時間帯は、太陽の位置が高い10~16時くらいまで。
日当たりのいい場所で干すと、いわゆる「天日干し」になり、日陰で干すよりも早く野菜が乾燥します。
また夜になると夜露に濡れてしまうことがあるので、室内に取り込んでおいてください。
何日干しておくかは野菜の状態にもよるのですが、2~3日ほどで写真のような干し具合になります。持ってみると、あきらかに水分が飛んで野菜が軽くなっています。
出来上がった干し野菜は清潔な瓶やジッパー付き食品保存バッグに密封します。
直射日光を避けて一緒に乾燥剤を入れておけば、常温でも1ヵ月ほど保存することができます。これは優秀!
レンチンで干し野菜を作る方法
そして、「乾くまで何日も待っていられない」という方にも朗報です。なんと、干し野菜は電子レンジでも作ることができるのです(干し野菜ではなく乾燥野菜では、というツッコミもありそうですが……)!
外干しの時と同様に野菜をカットし、キッチンペーパーをセットした皿の上に並べ、ラップをしないで600ワットで10分ほどレンジで加熱します。
ザルにあけて、2時間ほどそのまま放置して乾かせば、レンチン干し野菜が完成。超手軽、超簡単です。多忙な際はぜひ、この方法で干し野菜を楽しんでみてください。
では、ここからは出来上がった干し野菜の一部を使って、アレンジレシピを紹介してみたいと思います。
「干し野菜きんぴら」を作る
【材料】(1人前)
- 干しにんじん 1/2本分
- 干しゴボウ 1/4本分
- 酒 大さじ1
- 砂糖 小さじ2
- しょう油 小さじ2
- ごま油 適量
【作り方】
フライパンにごま油をひき、干しにんじんと干しゴボウを中火で炒めます。
酒と砂糖としょう油を入れて、照りが出てきたら出来上がり。
調理時間はなんと、わずか2分ほど。干し野菜にしたからこその時短レシピです!
食べてみると、これまた驚きです。野菜の味が、すごく濃い……。
そう、とにかく濃厚な味わいに仕上がるんです。干した分だけ噛み応えも増え、ひと口ひと口噛み締めるごとにぎゅむっと口の中に広がる、にんじんとゴボウの深いうま味。
これだけのおいしさになるなら、干した甲斐があります。干し野菜、ばんざーい!
「干し大根のアボカドディップのせ」の作り方
【材料】(2人前)
- 干し大根(厚さ5ミリ程度) 4枚
- アボカド 1/2個
- ワサビ 適量
- 黒胡椒 適量
- 塩 1つまみ
【作り方】
油(分量外)を入れて温めたフライパンに干し大根をのせて、中火で焼きます。表面に少し焦げ目がつくくらいまで火を通してください。片面が焼けたら、もう片面も同様に。
その間にアボカドのディップを作ります。皮を剥いたアボカドをボウルに入れ、ワサビと一緒に潰しながら混ぜます。
焼けた干し大根に塩をふり、上にアボカドディップをのせて黒胡椒をトッピングすれば出来上がり。パッと見は完全にカナッペですね。
土台はクラッカーではなく干し大根ですが、味はいったいどんな感じになるのでしょうか……。
やだ……何これ、神の食べ物……!?
なんて、ちょっと大げさな言葉が漏れてしまいましたが……本当にうまい。
大根のうま味がこれでもかと詰まった干し大根は、焼くとそれがさらに底上げされ、噛んだ瞬間に野菜特有の甘味が口の中に広がっていきます。
それに焼き干し大根と、ピリリと辛いアボカドディップとの相性の良さといったら! 大根の香りをさらに引き立て、極上のハーモニーを生み出してくれます。
ちなみに筆者、自作した干し大根は今のところすべて、このレシピに捧げてしまっているほどのハマりよう。他のレシピも試さなきゃと思いつつ、毎回こればかりに終始しております……。いや、ほんとにすごいから。みんな、絶対やってみて。
「干し野菜って難しそう……」そんな風に思っている人にこそ、すぐに始めてほしい干し野菜ライフ。本当にするべきことは「洗って切って干す」だけなので、この機会にぜひいろいろな野菜で挑戦してみてください。
書いた人:西たまお
大学在学中より映像ディレクターを志し、映像制作会社で宣伝を務めた後に、広告代理店に社内ライターとして勤務。2016年より独立し、フリーに。主にWEBサイトで健康や食、お笑いに関するさまざまな記事を執筆中。