“馬刺し”だけじゃない馬肉の楽しみ方を知る

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まいど憶良(おくら)です。

 

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馬肉って美味しいですよね。

今回は馬刺しだけでなく、変わった部位も食べたい! という方におすすめのお店をご紹介します。

 

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更に、貴重な馬焼肉の美味しさと、

 

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その秘密にも迫ってきましたよ! 

 

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それから馬以外では食べられなくなった生レバー。

なぜ馬の生レバーは食べられるのか、そして牛とはちょっと違ったその味についてもレポートします。

 

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ということで、大阪市は天満にやって来ました。

 

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全国的にも珍しい馬肉の専門店で、しかも馬の焼肉が食べられるお店がココ、けとばし屋チャンピオンです。

 

馬肉の質には絶対的な自信があります

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店は総席数46席と広く、ゆったりした感じ。

ここにめちゃ旨で、しかも安い馬肉があるんです。

 

毎日熊本から届く馬肉は新鮮さが自慢。

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しかも肉の解体時の迅速さや、血抜きなどの適切な処理で臭みを感じない馬肉が食べられるんです。

 

馬肉と言えば馬刺しというイメージがある方も多いのでは。

と、いうことで先ずは馬刺しの盛り合わせを注文しました。

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刺身を引いている間に店長さんにインタビューさせていただきました。

 

──仕入れ先は決まっているんですか?

 

店長さん:熊本の千興ファームさんから仕入れさせていただいています。阿蘇山の麓、90万坪の牧場でのびのびと育てられている馬で、綺麗なサシが入ったいい肉なんです」

 

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そのこだわりの馬刺しがこれ、極上馬刺し盛り5種盛(2人前)1,980円。

 

馬肉専門店の馬刺しの実力

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──五種盛りというと、毎回この五種が出てくるんですか? 

 

店長さん:「日によって入る部位が違ってきますので、その日の良い物を選んで提供しています。なるべくいろいろな食感、味の物を入れるようにしてますので、好みの部位を探してみるのがいいと思います」

 

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──薬味はニンニクとおろし生姜ですね。

 

店長さん:「そこに九州の甘い醤油をかけてお楽しみください」

 

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さて、そのお味は。

 

うわっ、柔らかっ!

そして、肉そのものが甘いっ。

 

──部位によってカットの仕方が変わるんですか?

 

店長さん:「そうですね。このカイノミのように、柔らかな部位は厚めに切って食感を楽しんでもらったり、部位によっては隠し包丁を入れるなど、肉質や特性に合わせた切り方をしています」

 

肉そのものが甘い

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サンカクは肉の甘みと脂の甘みが一度に楽しめる部位。

まずは醤油も薬味も付けずに食べてみました。

3噛みくらすると脂が溶け出して、口の中に脂の甘みがさらぁあぁ~っと行きわたる!

そしてそれを追いかけるように今度はお肉の甘みが口に広がります。

こっ! これは、旨い。

 

とにかく肉そのものが美味しいんです!

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フタエゴはあばらまわりの肉。

歯ごたえが良くって、その食感の良さでいつまでも噛んでいたくなります。

しかも噛めば噛むほど旨味がじゃぶじゃぶと口の中にほとばしる感じ。

 

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ロースは赤身の王様ともいえる部位で、柔らかで甘みが強く、鉄分も豊富なんですって。

最初の一切れは何もつけずに食べても旨い。

 

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もちろん薬味と一緒に食べると美味しさ倍増です。

 

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コウネ(タテガミ)は脂身そのものに見えますが、繊維質とゼラチン質も入っているんです。

単体で食べてももちろん美味しいんですが、もっと美味しい食べ方を教えてもらいました。

 

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それがこれ、コウネをロースでくるむという食べ方。

これはもう、思わずガッツホースをしてしまうほど旨い。

 

いやぁ、ビールが合うんだろうなぁと思うと、たまらずに注文してしまいました。

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プレミアムモルツ(490円)で乾杯です。

「ここの馬刺しを食べたら他の馬刺しを食べられなくなってしまう」という常連さんも多いそう。

食べて実感。

十分理解できます。

 

健康食材としても注目? 馬肉の魅力とは

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「蹴とばし」とか「桜肉」と呼ばれる馬肉は低カロリー、低脂肪、低コレステロール、高タンパク質と健康食材としても注目を浴びているんですって。

 

私は美味しければそれでいいんですが、面白いなと思ったのは脂の性質。

不飽和脂肪酸が豊富な馬の脂は、豚や牛の脂よりも魚の脂に似た性質なんです。

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高血圧や動脈硬化の予防をしたりと体にいい脂だということですが、何よりうれしいのは胃もたれせず、あっさりとたくさん食べられること。

私、お肉を食べると「うわ~、もうお腹いっぱい」となりやすいんですが、馬肉は本当にさらりと食べられます。

 

その秘密は脂の質にあったんですね。

不飽和なんとかってややこしい言葉でよくわからない感じですが、平たく言うと魚の脂のような性質の脂ということです。

 

貴重な馬焼肉を楽しむ

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などと言っているうちに焼肉用のお肉が出揃いました。

部位の名前が赤色で書かれているのはレア気味に、黒字はミディアムレアで、今回はありませんでしたが黒字の罫囲いはウエルダンに焼くのが美味しいとのことでした。

 

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焼肉の盛り合わせもその日によって提供される部位が変わります。

ヒレ(フェレ、関西ではよくヘレと呼ばれています)は高級部位。

脂肪が少なくて柔らかなのは牛や豚と同じですね。

 

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ビンタとは頬肉のこと。

旨味が濃い部位です。

馬の頬肉は赤ワイン煮なんかが有名ですが、これを今回は焼肉で食べられるとあって、とても楽しみです。

 

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ジューシーなバラ肉。

 

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ベンケイは、スネ肉です。

ロースは牛や豚でもなじみのある部位ですね。

 

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ハラミの綺麗なこと。

さあ、焼いていきましょう。

と思うのですが、どのくらい焼けばいいものやら。

 

焼き方も教えてもらえるので安心です

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店長さん:「なかなか馬の焼肉に慣れている方って少ないと思いますので、焼き方はスタッフに気軽に聞いてください」

 

これは心強いですね。

 

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遠赤外線効果が高い伊賀焼の陶器で焼くことで、肉に均等に火が入ります。

ヒレは1/3くらいに火を通すイメージで焼きます。

お肉を横から見て、写真のように2/3くらいが赤い状態でバッチリ美味しいです。

 

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焼き過ぎだけには注意して。

 

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ベンケイはスネ肉ということで、堅いイメージもあるのですがどうでしょう。

焼き方はミディアムレアくらいが良いとのことです。

 

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歯ごたえがしっかりとあって、美味しい! こりこりとした食感でいながら噛み切れないということもないです。

 

好みを探す感覚で食べると楽しさも倍増

店長さん:「馬刺しもそうなんですが、焼肉の盛り合わせでも色々な部位を楽しんでもらって、自分の好みを探す感覚で食べて頂くと良いと思います。」

 

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上ロースはとにかく脂身の旨味がポイント。

 

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この脂の旨味をよりしっかりと楽しむには、

 

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この自家製塩で食べること。

あまり塩辛くない、マイルドな味です。

 

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脂の甘みを優しく引き立ててくれます。

 

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ハラミは横隔膜。

もっちりと柔らかな肉質で、ジューシーです。

牛に比べて臭みがなく、クセのない味です。

 

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噛むと、「ジュンッ」と旨味が飛び出します。

焼き具合はレア気味でOK。

 

続いてはバラを焼いていきます。バラはあばら周りのお肉。

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魅力はやっぱり肉のジューシーさ。

ハラミでは赤身の旨さ、バラは脂のジューシーさを楽しむ感じでしょうか。

 

いや、難しいことを考えずに素直に楽しめばいいんです。

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どれを食べてもその部位特有の魅力があって美味しいです。

 

焼肉を楽しんだあとは、 生レバーをいただきます……!

 

争奪戦必至! 生レバーの旨さに悶絶!

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牛のレバーは提供が禁止になっているのに、なぜ馬はOKなのか疑問に思っている方も多いのでは。

 

牛やシカなどの反芻(はんすう)をする動物は腸内にO-157を保菌しているのですが、馬は反芻動物ではないことと、馬の体温の高さがO-157にとって生息しにくい環境であるとのことで、リスクは極めて低いとのこと。

もちろん、徹底した品質管理が提供の絶対条件だと思いますが。 

理屈は置いといて、そのお味は……。

旨ッ! なんて旨いんだっ! お前って奴は!

っていうくらい旨い。

牛レバーは、あれはあれで美味しかったですし、それを懐かしんで気分だけでもと、赤いこんにゃくを塩とゴマ油で食べたこともありました。

 

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馬と牛のレバーの違いは、馬レバーの方が

  • 生臭さがない
  • こりこりとした食感がある
  • ねっとりした濃い味ではなく、あっさりしている。

というところでしょうか。

牛レバーが大好きという人の中には物足りなさを感じる方もいるかもしれないですし、牛レバーは食べられなかったけれど、馬レバーは美味しいという方もいると思います。

興味のある方は、一度試してみるのも良いかもです。

もしかすると虜になってしまうかもしれないですよ。

 

最後に店長さんから一言いただきました。

 

店長さん:「馬の魅力を知ってほしいので、価格の面でも頑張って提供しています。もちろん品質にも自信をもってお出ししてますので是非一度お試しください」

 

刺身、焼き肉、生レバーと、いろんな楽しみ方が出来て、しかもリーズナブル。

ふらりと行くと満席だったということも多いかと思いますので、予約をお勧めします。

また、生レバーも売り切れることも多いので、絶対食べたいという場合は予約時に確認しておいた方がいいと思います。

 

お店情報

けとばし屋チャンピオン 天満店

大阪大阪市北区天満橋3-2-16
電話番号:06-6881-2328
17:00~24:00(L.O.23:00)
無休

 

書いた人:憶良(おくら)

憶良(おくら)

ゲームプランナー、プロデューサー、CMディレクター、ゲーム企画講師や駄菓子屋店長などを経て現在に至る。日本で一番古いハンドルネーム、OKURAです。休日はよく温泉に行き、その道中では積極的に食べ歩いたり、行先の地元スーパーで珍しい食材を買い込んで料理したりと、食に対してはかなり貪欲。「美味しいものを食べている時、美味しいものについて話している時に、悪いことを考える人はいない」という持論を持つ。

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