最近、一部で話題になっている「チェアリング」という言葉をご存じでしょうか?
居酒屋ライターのパリッコさんとスズキナオさんが提唱している酒の楽しみ方で、ようはいろんなところへ折りたたみチェアを持っていって、座って酒を飲もうということです。
つまり、イスさえあれば、地球のどこでも絶好の飲みポイントに早変わり!
海を見ながら、川辺を見ながら、なんなら街角で歩く人たちを見ながら飲む。
なんとも素敵じゃないですか。
ちなみにチェアリングの開祖、パリッコ先生による「チェアリング」のルールは
- 人様に迷惑をかけない
- 市井の人々に威圧感を与えない(酒をよく思わない人もいるので)
- 装備を増やしすぎてキャンプにならない
だそうです。
しっかりと心に刻んでおきたいですね。
いざ、決行!
というわけで、決行することにしました、「チェアリング」。メンツは、サイゼリア千円飲み企画にも参加してくれた、とみさわ昭仁さんにモギさん。
モギさんは登山が趣味ということで、アウトドアに関してはかなり頼りになりそうです。
さらに、前日たまたまモギさんの家に遊びに来ていたという、漫画家の吉田戦車さんも急遽参加。
カメラマンのねじ君を除くと、なんと全員50代。
オトナの「チェアリング」であります。
今回、我々がチェアリング先に選んだのは、緑がいっぱいで敷地も広めな近所の公園。
モギさんに相談したところ、
あそこはトイレがいっぱいあるのがいいぞ。
とおすすめしてくれたのです。
そうか、「チェアリング」においてトイレは重要ですもんね。
全員フリーランスということで、平日の11時に駅前に集合。
それぞれ、自慢のチェアを持参。
▲左から、とみさわ昭仁さん、モギさん、私、吉田戦車さん
いや、実は吉田さんが持ってきたのは、背もたれもない小さなチェア(写真では、ねじ君のチェアを持っていますが)。
いやー、だって今日、雨降りそうっていうから小さい方がいいかなと思って、つい日和っちゃったんだよね。
いや、でも、それじゃあくつろいで酒飲めないでしょう、ということで、途中のダイエーで、飲食物と一緒にチェアも購入することになりました。
この手のキャンピングチェアって、ピンキリですが、安いのは1,000円くらいで購入できますからね。
さて、酒類とおつまみをたっぷり購入したら、酒は持参のクーラーバッグに移します。
缶ビールや缶チューハイはやっぱり冷えてるのを飲みたいですからね。
クーラーバッグは「チェアリング」の必須アイテムです。
さて、お目当ての公園へと向かいます。バスでも行けますが、徒歩でも駅から10分チョイです。皆でおしゃべりしながら歩いていたら、あっという間に到着。
さーて、まずはどこでチェアリますかね。
お、機関車D51があるじゃないですか。
よし、機関車を眺めながらの「チェアリング」といきますか。
D51見酒。
さっそくチェアを組み立てて、準備をします。
モギさんは、さすがに本格的なヘリノックスのチェア。
軽量で畳むとかなりコンパクトになります。
さぁ、とりあえず乾杯!
ああ、昼に外で飲むビールはうまいなぁ。
ところがこの場所、でかいハチがやたらとつきまとってくるんですよ。
これは、落ち着いて飲んでいられない。
こんな貼り紙もあったりします。
ということで、撤退。
他のスポットを探すことにします。
こうやって、すぐに移動できるのも「チェアリング」のいいところですね。
で、とある建築物の下がよさそうな感じだったので、ここでチェアることにしました。
ちょいと天気がグズついているので、もし雨が降ってきても安心ですしね。
では改めてかんぱーい。
モギさんは駅弁界の永遠の名作である崎陽軒のシウマイ弁当を、僕は同じく崎陽軒の炒飯弁当。
これはモギさんに、
ダリちゃん、ちょっと崎陽軒でシウマイ弁当買ってきて。
と頼まれたのです。
モギさんは、いろいろな分野で僕の師匠なので、命令されると断れないのです。
この日の目玉は、吉田さんが持ってきたマグロの刺身。
実は西原理恵子さんからもらったもので、さすがに上物。
こんないいマグロを「チェアリング」で食べてもよいのかと思うほどにおいしかった!
ダイエーで買ったコロッケをかじるとみさわさん。
なんかいろいろとありますが、みんな地面置き。
簡易テーブルあった方がよかったかな。
ああ、昼に外で飲む酎ハイはうまいなぁ。
ひととおり食べたので、また移動します。
あちこちに移動してこその「チェアリング」ですからね。
テキパキと片付けるおじさんたち。
来た時よりも美しくが「チェアリング」のマナーです。
次のチェアリングポイントを探して移動。
公園内にある小高い山に登ります。
山と行っても標高わずか84mなんですけどね。
はい、山頂。
桝形山広場で「チェアリング」することにします。
今度は、ワインなんかも飲んじゃったりしますよ。
生ハムやチーズをつまみに。
ちなみに先ほど購入したばかりの吉田さんのチェアは……
「コンパクトチェア りんごちゃん」1,300円ナリ。
やっぱり買っておいてよかったわー。
実は、この公園。
先に小学校の遠足が来ていて、お弁当を食べていたのです。
我々はそこから離れた場所でチェアっていたわけですが、こっちの方に遊具があったため、お弁当を食べ終えた子どもたちがどんどんこっちの方へ。
我々のまわりを子どもたちがぐるぐる走り回ったりして、ちょっと居づらくなって来ました。
「おじさんたち、平日の昼間から、なんでお酒飲んでるのー?」
「仕事しないでいいのー?」
なんて聞かれるのではないかとビクビクしておりました。
雨が降っても楽しむ
さらに、雲行きも怪しくなってきました。
スマホの天気予報アプリを見ると、げ、雨の予報が。
みるみる空も暗くなってきました。
いかん、いかん、撤収だ。
そう言えば、来る途中に東屋(あずまや)があったよね。
あそこなら屋根があるから、「チェアリング」し続けられるんじゃない?
ということで、引き返して東屋へ。
お、ここ、いい感じなんじゃない?
木製のベンチをテーブル代わりにします。
うん、これはよいな。
もうおなかはいっぱいなので、鮭とばなんかを軽くつまみます。
さっきまでポツポツという感じだった雨が、本格的に降りはじめました。
間一髪でしたね。
屋根、いいな。
屋根最高。
雨にけぶる景色を眺めながら、そして雨音を聴きながら飲む酒というのは、大変いいものです。
いや、「チェアリング」にはBGMがあった方がいいだろうと、いちおうBluetoothスピーカーなども持ってきていたんですけど、不要でしたね。
雨の音が最高のBGM。
チェアを取り替えっこしてみたりもして。
というわけで、雨足が弱まる夕方過ぎまで、この東屋でのんびりと飲んだわけです。
いやー、これは気持ちよかったな。雨の「チェアリング」、おすすめです。
そして、チェアさえあれば、どこでも絶好の飲みポイントだという「チェアリング」の思想、素晴らしい。
ぜひ、みなさまもレッツ・チェアリング。
※チェアリングを行う場合は、その場所の注意事項などをよく確認した上でお楽しみください
※この記事は2017年11月の情報です
※撮影場所:生田緑地(川崎市の許可を得て撮影しています)