【痩せたい】脂肪の燃焼に効果的?うわさの野菜スープを1週間飲んでみた【理系メシ】

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うわさの「野菜スープ」はホントに脂肪燃焼に効果的なのか

痩せる! 今年の夏は痩せる! 

言うのは簡単だが、中年が痩せるのは本当に難しい。

しかしあっさり簡単にやせてしまう方法があるというのだ。

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それがこのスープ。

ただの野菜スープにしか見えないが、飲んだ人は1週間で7キロ痩せたというのだ。

なんだそれ? あぶない薬のスープか?

 

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痩せたのは、吉原悲劇さん。

シンガーソングライターの癖に178センチで87㎏もあった体重を1週間で7キロ、さらに10日かけてトータル12キロ落としたという。マジですか。

吉原さんがベースにしたのが「1週間脂肪燃焼ダイエット」。

ダイエットに挫折しまくっている人の間では有名なダイエット法である。

1週間の食事を以下の通りに制限する。

  • 1日目 野菜スープ飲み放題、果物食べ放題
  • 2日目 野菜スープ飲み放題、野菜食べ放題
  • 3日目 野菜スープ飲み放題、野菜・果物食べ放題
  • 4日目 野菜スープ飲み放題、バナナ3本とスキムミルク
  • 5日目 野菜スープ飲み放題、肉350~700g、トマト最大6個
  • 6日目 野菜スープ飲み放題、肉350~700g、野菜食べ放題
  • 7日目 野菜スープ飲み放題、玄米、野菜食べ放題

アメリカで太り過ぎて手術できない人を強制的に痩せさせるためのプログラムで、ポイントは野菜スープ。もともとの名称はキャベツスープダイエットというだけあって、キャベツプラス他の野菜でスープを作る。

野菜スープのカロリーは1食分で100キロカロリー程度。

少々食べても1,000キロカロリーにもならない。成人男性の1日の基礎代謝量は1,500~2,000キロカロリーといわれているので、差し引き分だけ痩せることになる。

とうもろこしや根菜類、イモ類は使用禁止。つまりは糖分禁止。

最近はやりの糖質制限ダイエットの一種と考えればいい。

カロリーを極端に落とすと筋肉を消費してしまうので、たんぱく質の補充は必須だ。

脂肪の燃焼が始まるのが3~4日目。糖質が足りない分を、脂肪からケトン体を作って補うようになる。脳がブドウ糖もしくは代替物のケトン体しか栄養にできないためだ。それでも足りないから筋肉を分解してエネルギーに変える。

そういう点で、たんぱく質の消費が始まる5日目から肉を食べるというのは理にかなっている。

 

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「私はこれにあるものを加えて、真・脂肪燃焼スープに改良したのです」

と自慢げに吉原さん。加えたのはココナツオイル? 

そういやありましたね、ココナツオイルダイエット。あれさ、痩せるどころか太ったよ? 


「パンに塗ったらダメですよ」

バターの代わりに使うんじゃないの? 違うの? ちょっとでいいんですか。

使いすぎるとダメですか。

吉原さん曰く、ココナツオイルのような中鎖脂肪酸は脂肪を分解、血管にも良いとのこと。ココナツオイルを加えることで、キャベツスープが文字通りの脂肪燃焼スープになるという。でも7キロ減は大げさ……まあいい、やってみましょう!

 

さっそく野菜スープをつくってみる

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というわけでスープの材料はこちら。

  • 玉ねぎ 1個
  • セロリ 1本
  • キャベツ 半玉
  • トマト缶 1缶
  • にんじん 1本
  • ピーマン 2個
  • マッシュルーム 4~5個
  • ココナツオイル 大さじ1
  • 水 適量
  • 唐辛子 1本
  • コンソメスープの素 1個
  • 塩コショウ 適量

 

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玉ねぎは皮をむいて千切り。茶色の皮もとっておく。

野菜のきれっぱなしを煮て、ダシを取るのだ(面倒な人はやらなくていいです)。

 

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にんじんも皮をむき、適当なサイズに切る。

 

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根っこや皮は全部鍋に放り込んで煮る。

 

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キャベツも根っこと表皮をとって鍋へ。本体は5~6つにざく切り。

 

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セロリの葉っぱは折ってそのまま鍋へ。グツグツと中火で煮る。

 

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マッシュルームは千切りに。

脂肪がケトン体に変わって消費され始めると、独特の妙な体臭がする。体が臭い。なのでマッシュルーム。体臭を抑える働きがあるのだ。

 

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準備完了。玉ねぎと他の野菜は分けておく。

 

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ココナツオイルを大さじ1杯。

 

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フライパンで熱し、

 

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中火にして玉ねぎを投入。茶色になるまで辛抱強く炒める。

 

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煮ていた野菜くずをこす。

 

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厚手のクッキングペーパーを網に敷き、こせ上等な野菜スープの出来あがり。

 

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トマト缶を加える。ホールでもカットでもいい。

 

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とうがらしを一本入れておきたい。とうがらしの辛味で食欲が増す。

 

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さらに、コンソメスープの素を入れた方がおいしい。

 

自分の体重を測ってみる

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さて。初日の体重は86.9kg。

重い。重すぎる。写真も撮ったが、醜悪なので掲載取りやめ(笑)。

怖いな、まるで父親にそっくりだ。遺伝子が怖い。

 

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ココナツオイルが効いていて、思ったほどおなかはすかない。

そりゃ多少はすきますけどね、当たり前だけど。

逆に考えると、ココナツオイルのカロリー分だけ痩せにくくなるってことか?

 

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2日目、3日目。86.3㎏。

そう簡単に減るものではないらしい。

 

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4日目。85.4㎏。

急に体重が減ったが、いまの精神状態としては「食べ物のことしか考えられない」。

ただし、恐ろしい量の野菜を食べているから、おなかがすいているわけではなく、糖質の問題らしい。

脳が栄養にするブドウ糖が足りず、いわば「脳のおなかが減っている状態」なのだ。

 

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トマトスープに飽きたので、新しくエスニックなスープを作る。

キャベツ1玉、ブロッコリー1株、トマト3個、セロリ1本、玉ねぎ1個、たけのこ1個、マイタケ2パックとマッシュルーム1パックはダシ代わりにミキサーでみじんにして加えて、これを煮ると6リットルの鍋がいっぱいに。

タケノコは糖質が低いのだ。歯ごたえ大事。

唐辛子とナンプラーで食べるとエスニックでとてもうまい。うまいなあとお代わりしていたら、夕方までに9割方、食べ尽くしてしまった。

夜、トイレに何度も起きる。スープも含め、すごい量の水分を取っているので仕方ない。スープにはマイタケも入れているので、おなかも緩くなるし、液体と野菜ばかりなのだから当然だろう。

これが女性誌だと、「デトックス」とかいうんだろうな。

 

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5日目。84.25㎏。

2.5㎏減は順調と言えるか? 

全然見かけは変わらないけど。空腹でイラつき、困った。

どうにも仕事が手につかない。

 

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5日目と6日目は肉を食べていい。

肉は最大700グラムまでで、脂肪分の少ないものを。

あとはスープとトマト。なんでトマト?

朝飯に白ワインに漬けていた豚の赤身を150グラムほど食べたが、余計にお腹がすいた気がする。

 

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6日目。84.75㎏。

食べた肉の分だけきっちり戻ってないか? いいのか?

 

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食べてもいいというから、ここで肉を食べる。

450グラムのステーキだ。

おにぎりでも食べるみたいにあっという間になくなり、ガッカリ。

 

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7日目。84.95㎏。

ほらあ、肉を食べた分だけ戻ったじゃないか! 

もともとのキャベツスープダイエットでは、最終日は野菜スープと野菜のみ。

玄米なんてアメリカ人は食べない。なので野菜スープのみで過ごしてみたが、結果はこのとおり。どだい1週間で7キロ減なんてのは無茶な話なのだ。

 

それにしても、2キロしか落ちなかったのは残念だ。もうちょっとがんばってほしかったな。そして、この「1週間ダイエット」を終えてもとの食事に戻したら、3日で1キロ戻してしまった。最終的には1キロしか体重が減っていないという厳しい現実が待ち受けていた。

そういうわけで現在は2巡目に入り、85キロという状況である。

結論。短期間で落とした体重は、短期間で戻る。

気長に野菜スープと付き合っていくしかなさそうである。

参考記事:いいかげんどうしたら吉原悲劇にモテ期が来るのか

 

※この記事は2017年6月の情報です。
※ダイエットの結果には個人差があります。すべての方が同様の結果になるとは限りません。

 

書いた人:川口友万

川口友万

サイエンスライター。企業取材からコラム、科学解説まで、科学をテーマに幅広く扱う。主な著書に『あぶない科学実験』(彩図社)、『ホントにすごい!日本の科学技術図鑑』(双葉社)など。イベントバー『科学実験酒場』を主宰(現在休止中。今秋から再開予定)。

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