こんにちは。プロダクトデザイナーときどき料理人、ツジメシこと辻村哲也です。「ツジメシの日常メシと週末メシ」シリーズ。
豆腐と挽肉の料理といえば麻婆豆腐がメジャーですが、今回は、豆腐と挽肉、それぞれに塩をしておいて、あとはそのまま炒めるだけという、待ち時間はかかりますがとてもシンプルな作り方をご紹介します。
豆腐に塩をしておくと、味が中まで浸透して水分が抜けてもっちりした食感になります。挽肉も同様に塩がなじみ、炒めたときのむっちりした食感が増し、あとから塩をするよりうま味も強く感じるように思います。馴染みのあるいつもの食材が、一手間でいつもと違った一品になりますよ。
今回の工程は
・豆腐と挽肉に塩をして1時間おく
・炒める
です。
ツジメシの「塩豆腐と塩挽き肉の炒めもの」
材料(作りやすい量)
- 豚挽肉 100g
- 木綿豆腐 半丁(175g)
- 塩 2g(小さじ1/3)塩の量について詳細後述
- サラダ油 小さじ1-2
- 片栗粉 小さじ1/2
- 水 大さじ1
- 粉山椒 (和山椒または中華の花椒粉)適量
挽肉はものによって赤身と脂の割合が違います。今回はこんな感じ。もう少し赤身が多いものでもよいと思います。
作り方
木綿豆腐はパックから出して水を捨て、キッチンペーパーを巻いて3~5分ほど置いて水を切ります。
その後、1.5cm角程度に切り分け、まんべんなく塩をしておきます。
豚挽肉は分量の塩をして全体を混ぜ合わせます。
塩がまんべんなく行き渡ればいいので、ハンバーグのように練る必要はありません。
塩の量は両方のぶん合わせて、豆腐と挽肉合計重量の1%弱。細かくいうと0.8%あたりを狙います。ここでは挽肉100gと豆腐175g(ペーパーで水切りした後の重量)なので、合わせて2g強、一般的に塩小さじ1は6gとされているので小さじ1/3ほどです。挽肉と豆腐それぞれに半量ずつの塩をしてください。豆腐に比べて挽肉の塩分がやや濃いめになり、そのほうが美味しく感じると思います。
市販の豆腐1丁は350~400ほどで、半丁も150~200gと商品により差があります。
塩の量はそれに合わせて計算すると間違いないです。また、塩はものによって体積と重さが違いますので、デジタルスケールで計量すると間違いないですが、気持ち少なめにしておいて、仕上げに味見をして調整するのもいいと思います。
この状態で、どちらも冷蔵庫に1時間入れておきます。
1時間経ったのがこちら。見た目はほとんど変わっていません。でも食べると味と食感は違いますのでお楽しみに。
炒める前に片栗粉を水に溶いておきましょう。
フライパンにサラダ油(挽肉の脂の量によって加減してください。今回は脂多めなので小さじ1です)を中火で熱し、挽肉を広げて片面を焼きます。このとき、あまり細かくほぐさず、豆腐と同じくらいの大きさになるようにざっくりヘラなどで切り分けると、食べるときに食感がよりわかってよいです。
挽肉のかたまりが周りから半分くらい白くなってきたらざっくり上下を返し、豆腐を加えます。
豆腐が崩れないようにやさしく混ぜながら、豆腐に火が通るまで2分程度炒めます。
写真で伝わるでしょうか? 豆腐に熱が入ってぷりっと膨らんできたら、
水溶き片栗粉を回し入れてさらにやさしく混ぜ合わせ、全体が沸騰したら火を止めます。
器に盛り付け、粉山椒を振ったら出来上がりです。
中まで味がしみてもっちりした食感の豆腐、むっちり弾力を増してしっかりうま味を感じる挽肉の組み合わせの、ありそうでなかった新食感炒めものです。最初にした塩だけなのにじゅうぶん満足できる味付けです(でも好みで辣油を少しかけても間違いなく美味しいです)。
麻婆豆腐同様に、ご飯にかけてももちろん美味しいですよ。
塩しておくだけでそんなに変わるの? と思ったそこのあなた。お時間のあるときにぜひお試しください。
作った人:ツジメシ
本名は辻村哲也、ツジムラの飯でツジメシです。本業は各種製品を手がけるプロダクトデザイナーながら、料理好きが高じて間借り飲食店でも料理中。手抜き日常食からマニアックな料理まで図解したレシピが人気。著書に『付箋レシピ デザイナーときどき料理人のスケッチごはん』(アース・スターエンターテイメント)。
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