鶏飯でも冷や汁でもない、それっぽい汁メシ
汁メシが好きだ。
牛丼はいつだってツユダクだし、カレーはしゃばしゃば。
お茶漬けも湯漬けも大好きだ。
汁メシは、食欲が無いときはもちろん、食欲があるときもおいしい。
味のついたご飯をガバガバと手早くかっこむことができる汁メシは、働き者の味方だ。
そんな汁メシ好きの筆者が心をひかれているのが、南九州の汁メシ文化。
宮崎の「冷や汁(ひやしる)」や鹿児島奄美の「鶏飯(けいはん)」など、南九州にはおいしそうな汁メシが多くあるのだ。
これらの中間みたいなものを、えーと、おいしいとこ取りと言ってしまうとアレですけれども、手軽に作ってサラサラ食べたいのである。
言うなれば南九州の「ジェネリック汁メシ」。
工程を極限まで減らして、自宅でかんたんに食べたい
鶏飯も冷や汁も、それぞれちゃんとしたレシピはあるわけです。
お店で食べたら、すごくおいしかったのよ。
鶏飯と冷や汁の平均値みたいなものをね、工程を極限まで減らして、ウチでかんたんに作って食べたいのですよ。
鶏飯は「鶏を煮たスープ」、冷や汁は「炙った味噌の汁」が特徴。
今回は、味噌スープで行く。
万能薬味、塩もみキュウリ、サラダチキンなど、手に入りやすくて他に応用の効く材料を使って「うろ覚えの冷や汁」または「ジェネリック鶏飯」みたいなのをこさえてみるのだ。
材料①:万能薬味
「万能薬味」でググるといろいろ出ますけども。
便利でおいしい薬味のカクテルですな。どんな料理にぶっかけても自動的においしくなるマジカルなアイテムなので、どっさり作って数日保存しとくのがエエです。
万能薬味、ゴキゲンなメンバーを紹介するぜ。
左から、
- ショウガのみじん切り
- みょうがの千切り
- ネギの小口切り
- 大葉の細切り
お好みでカイワレとか入れてもいいぜ。
材料②:サラダチキン
サラダチキンは評判商品なのでどこでも買える、ありがたい。
- サラダチキン 1つ
いまは缶詰もあるんですね。
ところでこの缶詰のサラダチキンの汁はホームラン級においしかったので、捨てたらバチが当たるぞ。お湯で割って飲むと良いです。
サラダチキンをフォークで裂いて。
汁メシのトッピング用にスタンバイ。
材料③:キュウリ
冷や汁の正統派レシピとして参考になるのが、
フードライター・白央篤司さんの書いた記事。
ここにならって、塩もみキュウリを用意。
スライサーでシュバッとしたキュウリ1本に塩をひとつまみ入れてガシガシもんで、冷蔵だ。
- キュウリ 1本
- 塩 少々
材料④:味噌
これまた白央篤司さんの記事を参考に、「ここだけは」という部分を拾ってみたぞ。
家にある味噌を大さじ4〜5。ここに出汁の粉とすりごまを加える。
- 味噌 大さじ4〜5
- 出汁の粉 パックに書かれている量で味噌汁4〜5杯ぶん
- すりごま ちょうどいい感じで
出汁は九州っぽさを考えて焼あご(トビウオ)をチョイス。
いりこ出汁でもいいと思います。
みなさんは多めに作っとくといいぞ。筆者は味噌の量を少なくしたのを後悔することになったのだ。リピりたくても味噌が無いという事態は避けたいものだ。
味噌に焼き目をつける
味噌と出汁の粉とすりごまを練り合わせ、平たくのばすのだ。
なんで行平鍋(雪平鍋/ゆきひらなべ)の中で延ばしたのかといいますと……。
ガストーーーーーーーチ!
しゅごー!
行平鍋でのガストーチ炙りは便利。こうして味噌を立てて焼くと楽だぞ。
このとき、やたら食欲を誘うイイ香りがするので注意。
冷や汁の味噌は、この焦げ目が大事。
焦がしてないと冷や汁のスープではなく冷たい「味噌汁ネコまんま」になってしまう。
ガスバーナーなんかねえよ、というご家庭もあるでしょう。
本場・宮崎では、すり鉢とガスコンロを上手に使って味噌を炙るメソッドもあるけど、これも気楽にオススメできない。
先ほど紹介した白央さんの記事に、オーブントースターで味噌に焼き目をつける方法が書かれている。参考にしてくれよな。
はい、焦がした味噌も完成。
材料:すベて整いました
- バンバンジー状に裂いたサラダチキン
- 塩もみキュウリ
- 万能薬味
- 焦がし味噌
このセットさえできてしまえば、南九州の汁メシ(手抜きバージョン)はいつでもいける。
いよいよ汁メシまであと少しです。
もうガマンできないので食べてしまいましょう
かけ汁の1人前は味噌を大さじ1。
これを100ccの水(冷たい水だよ)に溶かして。
準備完了。味見して水の量で調整してくれよな。
熱いご飯の上にトッピング具材をトッピングしてトッピング完了。いよいよ仕上げ。
味噌を溶かした汁を、ご、ご飯に……。
みょうがと味噌の風味が、ベストマッチするのである。
みじん切りショウガをかむクリック感がいいのである。
サラダチキンのアブラっ気のなさがサラサラ食感に合うのである。
塩もみキュウリの歯応えがポリリズムなのである。
焼きあご出汁はうま味の暴力なのである。本当においしかった。
おいしいもののおいしさを伝えるのは難しい。
大げさに「超うまい、マジ最高なり〜!」とか言ってもウソ臭くなってしまう時代である。
ここで言っておきたい。
筆者は、このあとめちゃくちゃおかわりした。
どんぶりでおかわりした。
焦がした味噌も作り足した。
鍋のままだから作るのめっちゃ楽ちんだった。
この「めちゃくちゃおかわりした」という事実をもって、皆さんにおいしさが伝わることを願う。
汁メシ好きに幸あらんことを。